FL Studioの音源「Harmor」のドキュメント(英語版ヘルプ http://www.image-line.com/support/FLHelp/html/plugins/Harmor.htm )の翻訳(部分)。


(訳者注:このページの内容とは直接関係ないんですが、2017/01/20付けで「超気合の入ったユーザー製作のドキュメント」が公開されてて、フォーラム的には絶賛されてるようです(ちなみに私は「読んで」ませんが、私がメンドウで省略してる「フィルタのツマミのノブの働き」とか「操作の結果ビジュアライザのどこが変化するか」とかいった「説明図」を随時眺めるだけでも価値がありそうです)。公式のマニュアルとは違いますが、フォーラムでは当該スレッドが"Sticky"扱いになってたりします。「Harmorの使い方」を求めてここにたどり着く人もいると思うので、参考まで)


インストゥルメント/音源


Harmor
HarmorはImage-Lineのシンセサイザ製品「Harmless」の後継版で、強力な「加算方式」エンジンを搭載したシンセサイザです。より馴染み深い「減算方式」のシンセサイザで見られるような「オシレータ、フィルター、フェイザー」といったモジュール使って「(音声ではなく)加算合成用のデータ」を加工することができ、柔軟な音作りを可能としています。

加減算方式合成 - Harmorでは、いわゆる「オーディオストリーム」の替わりに周波数と振幅のテーブルを利用します。これによって、既存の方法ではありえない正確さと効率で音を扱うことができます。フィルタの形状、音量のコントロールと言った音作りのあらゆる要素を、曲線として自由に定義することができ、正確に調整できます。

音声の再シンセシスと画像によるシンセシス - 音声ファイル(WAV, AIFF, WavPack, MP3, OGG, REX1&2)をHarmorにドラッグ&ドロップすれば、「サンプラーと同等の品質」で音が再現できます。また、音声データを画像化して、外部の一般的な画像処理ソフトとカット&ペースト等でやりとりすることで、画像ベースのシンセサイズも行なうことができます。

HarmorビデオシリーズHarmorの紹介ビデオはこちら
Image-Line | Harmor (VST & Native Plugin Instrument)
Image-LineのフォーラムではHarmor用のプリセットも公開されています(要ユーザー登録)
Image-Line Forum:Harmor - Presets & Programming

注:HarmorはDEMO版ですFL Studioに含まれているHarmorは、デモ版として提供されています。機能制限を解除するためには、Image-Line社のサイトで別途ライセンスを購入し、解除キーを入手してください。
Image-line社のHarmorのページ


すごい大雑把な画面構成概念図。

Timbre(オシレータとか)フィルタビジュアライザ


三三
三三
三三
三三
BLUR/TREM
Prism/Harmonizer/Unison
PITCH(VIBRATO/LEGATO)Pluck/Phaser/EQ
M三@_@
Globalエディタ
ENV=エンベロープ
IMG=画像orサンプラ
FX=エフェクト
ADV=高度なオプション

画像の各モジュールをクリックするとその機能の説明に飛びます(訳注:訳者の手間の都合でところどころ飛びません)。

ヒント

  • HarmorのGUIのカラー規約。Harmorでは、相互に関連するノブ(つまみ)やスライダーの色が統一してあります。例えば音高関係は山吹色、レゾナンス関係は赤紫色になっています。
  • Harmorの操作やプログラミングに慣れないうちは「Visual Feedbackパネル(訳注:画面右の「熱血目玉」クリックで開くVisualization Panel(スペクトルビューア)のこと)」を開いておくことを強くお勧めします。古来より「百聞は一見にしかず、1000語は1画像にしかず」と言います(訳注:英語で古来から言っていたかは不明ですがWikipediaの「A picture is worth a thousand words」項によれば1911年ぐらいには使われていたようです。ちなみにこのフレーズはHarmorのサンプラ系プリセットとか公式サイトにあるサンプル曲"Greiko-Harmor"の中ほどにも登場します)。
  • Harmorのほとんどのコントロールは、右クリックメニューから関連するENV(エンベロープ)を開けることを覚えておくと良いでしょう。


Harmorの機能概略

Harmorの設計理念は「more is more(意訳:全部入り)」です。各機能は、音作りの効率を最大限とするために厳選されています。

  • 加算合成エンジン - 馴染み深い減算方式シンセのような効率で「加減算」合成を行なうよう設計されています。
  • 複数のモード - 安心の減算方式合成(subtractive synthesis)、サンプラーの如き音声再合成(resynthesis)、先進的画像シンセシス(image synthesis)の3つのアプローチで音作りが可能です。
  • 特殊効果ユニット - prism, pluck, blur, filter, phaserといった加工機能が利用できます。
  • モジュレータ - 多数の制御点を持った(Image-Line社の各種製品でおなじみの)複雑な曲線でエンベロープを描くことができます。

そもそも加算合成とは?

Harmorは1ノート(ユニゾン中の1音)あたり、516ものサイン波(即ち'partial')を生成することができます。それに加えて、それらのサイン波をリアルタイムで加工、再合成しつつ演奏し続けることが可能です。
「加算合成」とは何か?理解の第一歩として、このビデオが大いに役に立つこととと思います(訳注:英語ですが「サイン波=sine wave」、「倍音=over tone」という言葉だけなんとなーくわかってると、絵を眺めて音を聞いてるだけでなんとなーくわかるような気もします。5:00あたりまで「サイン波」の説明で、そこから「サイン波の加算合成」の話)。
ビデオ:「Youtube:"Overtones, harmonics and Additive synthesis"

フランスの数学者ジョセフ・フーリエは「全ての波形はサイン波の集合で表現できる」ことを示しました。
各サイン波は、元の波形(あるいは音)を構成するサイン波の集合の「partial=部分」であると言えます(訳注:partialは偏導関数とかいった意味もあるっぽいけど高等数学に弱いので細かい意味は不明)。

音作りの文脈では、partialは:

  • 整数倍音(harmonic):基音(元の音のを構成するサイン波のうち最も周波数の低い=音として低いもの)の整数倍(つまり2倍、3倍、4倍の周波数)である場合。日本語では「倍音」に相当する。
  • 非整数倍音(inharmonic):非整数倍(つまり2.54倍とか43.195倍とか)である場合。日本語では「不協和(な)音」などと呼ばれる。

に分けることができます。
整数倍音(harmonic)は、基音に「複雑さを加え」、「音楽的な音」を生成します。
非整数倍音(inharmonic)は、基音に、「金属的、あるいは尖ったノイズを加え」、また、基音の音の高さを混乱させる性質があります。


加算合成では、波形を作るために、目標の波形を構成するサイン波(波形のpartial)を重ねて合成していきます。各サイン波をコンピュータ上で扱うためには、3種類のデータが必要となります(訳注:この「扱う」をmappingと後述してるような気がする)。

(partialの)周波数(frequency) - 各partialの周波数です。演奏されるべき音の基音を基準として、その何倍音かで表現されます(訳注:倍音の「音の高さ」に相当します)。
(partialの)振幅(amplitude) - 各partialの振幅です。各partialはそれぞれの振幅を持ちます(訳注:倍音の「大きさ」に相当します)。
(partialの)位相(phase) - 各partialの位相(フェーズ)です。サイン波の波が0から始まって大きくなるのか、途中から始まるかを表します。

というわけで、HarmorのUIやこのドキュメントでは「partial」と「mapping」の話が何度も出てきます。
Harmorを使うためには(難解な)加算合成の全てを理解している必要はありません。が、加算合成とは何か、partialとは何かといった概念が頭の片隅にあれば、Harmorでの音作りの学習の助けとなることと思います。
mappingについては、

  • 「Timbre 1 & 2 harmonic level」エディタの「target > Shaping envelopes」に「周波数」と「振幅」のデータ
  • 「Harmonic phase」エディタの「target > Shaping envelopes」に「Phase(位相)」のデータ

があります。Phase(位相)はTimbre 1で設定され、そのデータはTimbre 1とTimbre 2で共用されます。

メインコントロール

Harmorは、素早いプログラムチェンジが可能な加減算シンセサイザであり、素早い音作りの実験にもライブパフォーマンスにも対応できます。Harmorのコントロールには以下のカテゴリがあります。

Global画面左下の黒いパネルが「Globalパネル」です。全体的に影響する表現上の設定(ポルタメントやピッチベンド等)や、Harmorが持つパートA、パートBという2つのシンセのオン・オフやバランスなどをコントロールします。
Part control画面の上半分の赤紫色のパネルが「パートコントロール」です。デフォルトで表示されているものは「パートA」と呼ばれます。それとまったく同じ外見、まったく同じ機能のシンセサイザ「パートB」があります。(訳注:パートA、パートBは、Globalパネルの AB ボタンで切り替えます)パートを構成する個々のエフェクタの順序は「ADV」画面で簡単に変更できます。
ENVアーティキュレータHarmor features 2 part Global articulation (envelopes). Each target may be simultaneously modulated by multiple articulation parts.(訳注:訳せてないですが、ENVのパネルでは、上記のパートA、パートBそれぞれに対して、独立してエンベロープ群が設定されます)
IMGイメージIMG(画像シンセ)セクションでは、「画像シンセシス」またはサンプリング音を使った「リシンセシス」を行なえます。パートA、パートBそれぞれで独立しています。
FXエフェクタディストーション、コーラス、ディレイ、リバーブ、コンプレッサといった、一通りのエフェクタがあります。FXはパートA、パートB共通です。
ADV高度な設定「パート」を構成するユニットの適用順序のほか、様々な細かな設定が行なえます。CPUに余裕があるようであれば、右下の"PERFORMANCE vs QUALITY"を調整することで活用することができます(訳注:デフォルトでは安定動作のためにソフト的にCPU使用量のリミッタが掛けてるので、それを解除することができる。ということだと思う)。宇宙船エンタープライズ並のコンピュータがあれば未来の対策も万全です(訳注:エンタープライズ号はTVドラマSTAR TREKに登場する23世紀の宇宙船。GUIの色使いがエンタープライズの計器類を連想させたりもするけど気のせいかも知れない)。ADVの各要素は、パートA,パートBそれぞれに対して設定されます。

Timbre(ティンバー=音色)

(訳注:「Timbre」が音楽的DTM的に普及してる言葉かは知りませんが、フランス語由来で「音色」を意味する英単語のようです。ちなみにtimberは材木。多分timbreとは関係ない)

Timbreの概要
デフォルトでは、Timbre 1とTimbre 2はそれぞれ「ノコギリ波」と「矩形波」を生成するよう設定されています。MIXつまみを操作すると、2つのTimbreを混ぜ合わせることでき、2つの中間の波形を作り出すこともできます。
波形の変更は、Timbre window(オシロスコープ)を右クリックして音声ファイルを読みむ、音声ファイルをドラッグ&ドロップする、ENV画面で「harmonic level」のエンベロープを操作して波形を手で編集する、といった方法で行います。。
IMG(画像リシンセシス)セクションがアクティブな場合、Timbreセクションの出力は、IMGセクションと合わせて出力されます。

Timbreのコントロール

PHASE■■(◎)■■auto
startrand■■MIX■■ vel
TimbreFadesubprotclip

fx

vol

env
・へ
・へ
・へ

Timbreセクションは加算合成された信号(=波形)を出力します。信号の内容は、以下のコントロールが影響を与えます:

PHASE(位相)
startつまみ波形の開始位置です。0度から359度の値を取ります(訳注:もしかしたら「三角関数の0πrad~2πrad」とか言った方がわかりやすい人もいるかも)。
randつまみ中央から左に回すと、各partial(波形を構成するサイン波)毎にランダムな位相で波形が開始されます。これはPluckを使う時に便利でしょう。中央から右へ回すと、partial単位ではなく波形全体で見た位相を「フリーラン」モードとします。これは、Unison使用時に波形が壊れる(フランジャーを掛けたように壊れる)のを避けるのに有効です。また、音を再トリガしたときに位相的なバリエーションが生まれる効果があります。
Timbre
Timbre windowTimbre windowは1サイクル分の波形をオシロスコープ状に示します。デフォルトでは、左がノコギリ波、右が矩形波です。(訳注:他のシンセサイザでよく「OSC」と書かれている、オシレータが発する波形に相当します)。
波形の「位相」はTimbre 1とTimbre 2で共有されています(Harmonic phaseのエンベロープが1つしかないのはこのためです)。このおかげで、2つのTimbreをMIXしても、phase-cancel(逆位相波による打ち消し)が発生することはありません。
デフォルトの状態では、Timbre1とTimbre2それぞれが、「共通のSaw oscillatorを元にした異なるHarmonic levelマッピングを持っている」と考えることができます。
波形を変更するためには、以下のような方法があります。

1)Timbre1/Timbre2を左クリックしてHarmonic Levelエンベロープを開き、編集する。同様にHarmonic phaseエンベロープを編集する。
2)右クリックしてAnalyse single cycle waveformから'Randomize'でHarmonic levelエンベロープをランダマイズする。
3)Timbre1に音声ファイルをドロップする。使用する音声ファイルは高品質で1サイクル分の波形であるのが理想です。

ヒント:
波形データをロードする際は、必ずTimbre1を使用してください。これは、Timbre1にはHarmonic levelとHarmonic phaseマッピングがあるからです
Timbre1で解析され設定されたpartial phase mapping dataはTimbre2でも共有されます(訳注:Timbre2にロードした場合には元の音声ファイルのphaseの情報が捨てられるから劣化する、ということ。と思う)

Timbreへドラッグ&ドロップして与える音声データ/サンプル/ファイルは、FL StudioのブラウザやWindowsOSのエクスプローラ等でドラッグ&ドロップできるものでさえあればあらゆるデータが利用できます(訳注:FLユーザー的には「EdisonでZero-crossingで切って1-cycleのwavデータを作る」とかいう話になるのかと思います。音色が不協和な時は位相どうするのかとかよくわかりませんが)。

波形データの扱いについては「Timbre harmonic mappings」項で詳しく説明します(訳注:原文では「ENV」セクションに説明があります(これ)が、訳してません)。

(訳注:詳細は訳してませんが、大雑把に「harmonic levelのグラフは波形ではなく各倍音の大きさ。左端が1倍音。右端が512倍音。上下では中央が0db。OgunとかSytrusとかでは棒グラフで表現されてるのがHarmorでは曲線。というあたりを押さえとくと、類推で何とかなるかも知れません)
MIXつまみTimbre1/Timbre2のMixのバランスを調整します。
'Timbre blending mode'メニューこのドロップリストではクロスフェードの種類が選択できます(訳注:世間的に「クロスフェード」というのかは疑問ですが。タイトルは「音色合成モード選択」みたいな意味です)。

Fade - Timbre 1とTimbre 2を単純にクロスフェードします
Subtract - Timbre 1をTimbre 2から減算します
Multiply - Timbre 1とTimbre 2を乗算します
Maximum - Timbre 1とTimbre 2を比較して最大値を取ります
Minimum - Timbre 1とTimbre 2を比較して最小値を取ります
Pluck - アレ?こんなの実装したっけ??意味わかったら教えて!!(訳注:と、原文に書いてあってフォーラムへのリンクがあります。gol氏曰く 'I don't remember, so if it's not in the manual.. you'll have to guess', 'I *think* it blends the shape with the pluck's decay, that is, it makes it work like the pluck's EQ envelope'とのことで、ユーザーの研究レポートも上がってるようです)
Sub harmonic
'Sub harmonic configuration'メニュー
(訳注:「三」みたいな記号が描かれたドロップリスト)
このドロップリストの右にある「Sub harmonicsスライダー2、3」の動作モードを選択します。
Aroundでは、Sub harmonics2/3はSub harmonics1より高くなり、基となるルート音をまたぐ形になります。
BelowではSub harmonics1/2/3はそれぞれルート音の1,2,3オクターブ下の音となります。
Subスライダー3つ並んだスライダーです。Sub Harmonicsを出力し、音に「重さ」や「深さ」を与えます。一番左のSub-harmonic 1スライダは常にルート音の1オクターブ下を表します。残りの2つのスライダーは、上記のSub harmonic configurationの設定で意味が変化します。

Aroundモード -
---Sub-harmonic 3はルート音の5/2倍音(ルート音がC4とするとE5)
---Sub-harmonic 2はルート音の3/2倍音(ルート音がC4とするとG4)
===ルート音。(ルート音を仮にC4としてみる)
---Sub-harmonic 1はルート音の1/2倍音(ルート音がC4とするとC3)

Belowモード -
===ルート音
---Sub-harmonic 1はルート音の1/2倍音(1オクターブ下)
---Sub-harmonic 2はルート音の1/4倍音(2オクターブ下)
---Sub-harmonic 3はルート音の1/8倍音(3オクターブ下)

(訳注:Aroundモードの場合、「Timbre n harmonic level」のエンベロープで「Harmonics1(ルート音)が0だとSub1が鳴らない」、「Harmonics2が0だとSub2が鳴らない」、「Harmonics2,3,4が全部0だとSub3が鳴らない」模様。
同様にBelowモードの場合、「Timbre n harmonic level」のエンベロープで「Harmonics1(ルート音)が0だとSub1, Sub2, Sub3が鳴らない」。Sub-harminicスライダが低音「強調」の仕組みとするとそういうものかも知れないけど、バグか仕様かは不明。)
Prot低音ハーモニック保護機能の調整を行います。Harmorは基本的にルート音近くの倍音をフィルタリングしていますが、このフィルタを弱めます(訳注:つまり音を出さなくしているのを、音が出るようにする。この仕組みがあるので、Subのほうだけ上げてもProtを上げてフィルタを緩めないとSub-Harmonicsが鳴らない!というのが私の理解なんですが合ってるかは不明)。これらの倍音は「音の重み」に重要な意味を持っています。フィルタリングに使用されているのは「Harmonic protection」というshaping mapエンベロープです。このエンベロープをカスタマイズすれば特定の倍音をフィルタ、フィルタ解除できます。この機能はPhaserを使う際にルート音を鳴らなくするような設定をしたいときににも役に立つでしょう。
その他。音量関係
clipクリッピングのthreshold(閾値=しきいち)です。
Clipping mode''メニュー閾値カーブです。意味的にはコンプレッサのカーブに近いものです(訳注:コンプレッサが普及してる言葉か知りませんがFL StudioのMaxmusプラグインのようなものを指すようです)。各partialがどの程度の大きさになったらクリップされるかを設定します。このパラメータには、対応するエンベロープ「Harmonic clipping」shaping mapがあります。
fxスライダdry mixへのエフェクトです。
volスライダ「Volume」エンベロープの適用量です。乗算的に適用されます。
envスライダFrequency domain envelope multiplier.
autoつまみAuto gain.
Velocity mapping switchesVelocity to volume envelope attack timeトグル - velocityを、Volumeエンベロープのattack timeにマップします。
Velocity to volume envelope attack scaleトグル - velocityを、Volumeエンベロープのattack time scalingにマップします。
Velocity to volume envelope release scaleトグル - release velocityを、Volumeエンベロープのrelease time scalingにマップします。

BLUR(ブラー)

BLURはpartialを「にじませる」効果があります。言い換えれば、横方向ににじませるとサイン波を時間方向にぼかすことに、縦方向ににじませるとサイン波の倍音成分が変化することになります。

コントロール視覚的な意味音的な意味
timeの左のツマミ各partialの左端のぼかしattack=音の入り
timeの右のツマミ各partialの右端のぼかしdecay=音の消え方
harmの右上のツマミ各partialの「上」へのぼかし※簡潔な説明はできないが、
基音のn倍音にあたるpartialに対して
(partialのn倍じゃなく)基音のn+m倍音を積み上げる
その自然数mに相当してるっぽい。
harmの右下のツマミ各partialの「下」へのぼかし

にそれぞれ対応し、その要素があいまいになります。
一般に、BLURはプリバーブ、リバーブといったタイプの音を作る時に使うとよいでしょう(訳注:preverbが一般的な言葉か知らないがそれぞれ「ふわっと入る音」、「すーっと消える音」意味で言ってると思う。いわゆるPAD系の。)。

  • mix - BLURのMIX。
  • time - BLURの幅=度合い。音の入り(leading blur amount)と消え方(trailing blur amount)のあいまいさをそれぞれのツマミで調整する。消え方の方はPluckコントロールの設定が'blur'になっている場合上書きされる。
    harm - 和声的なBLURの度合い。partialの上下方向へのにじみに相当する。
  • Harmonic blur top tension - (右上のツマミ)倍音成分の、高音と低音の相対的なにじみ度合い。
  • Harmonic blur bottom tension - (右下のツマミ)倍音成分の、高音と低音の相対的なにじみ度合い。

Blurに関するアーティキュレータ:

  • Harmonic blur amount - 上記の'Harmonic blur amount'に相当する。(訳注:英文には'mix'に相当すると書いてあるがマニュアルの間違いっぽい)

(訳者追記:Harmorメモ/Blur

TREM(トレモロ)

TREM(トレモロ=Tremolo)は、ステレオ効果の一種で、時間経過によって音を左右に揺らします。これは、クラシックオルガンの音源で見られるような「ロータリースピーカー(訳注:ハモンドオルガンとかのわんわん言うスピーカー。パトカーの回転灯の音版と考えれば大体合ってる)」の効果をシミュレートするものです。
(訳注:トレモロというと個人的には「ギターっぽい楽器で行うトレモロ奏法」を連想するんですが、「音楽で一般に使われているトレモロ」というと結構幅があるようで、歌唱なんかでもビブラートと混同して使われたりいろいろなようです。一方、Harmorのトレモロは上記の通りのもので「非電子音楽の文脈でいうどのトレモロとも違う」ようです。tremoloの語源的には「揺れてりゃなんでもいい」はずなので、「PANで左右に揺らすのはトレモロじゃない!」という主張は空しいかなとか、音楽に足を突っ込んでない訳者は思います)

depthトレモロ効果と元の信号のバランス。MIX。(訳注:元の信号は中央にあるはずなので、特殊な条件がなければ実質上「左右への広がり」に相当すると考えてよさそう)
speedトレモロの速度。
gapPANの左右への広がりの度合い(訳注:訳の問題なのかいまいち自信がないが、動作を見る限り「回転灯の2つの反射鏡の角度」に相当するようだ。0にすると「わーーー」180にすると「わんわん」90にすると「わわんーわわんー」という感じになる。)。値を0にした場合、トレモロの効果は(ステレオでなく)単音のボリューム変化となります。

Prism(プリズム)

Prism(プリズム)はハーモニクスの位置を、正確な整数倍音から、不協和な音となる非整数倍音となるように移動します。整数倍音が非整数倍音となることで、元の音の音質は変化します。きつく掛けた場合「メタリックな音」に、軽く掛けた場合は「調子のはずれた音」となります。注:prismの掛かり方は'Harmonic prism'アーティキュレータでカスタマイズできます。「partialの周波数の関数」として定義されます。
(訳注:Prismに限りませんが、意味がわからなかったらとにかく単純な音を出して、つまみをいじりながらHarmor右のVisual feedback画面を見ましょう。Prismによる「不協和具合」の生成が視覚的にわかると思います)。

AMTプリズム効果の度合い。amount。
modeプリズム効果を「加算的に」行なうか「乗算的に」行なうかのスイッチ。
from volharmonicの音量に対するprismの変化の仕方。即ち「大きい音ほどprismが強く掛かる」か「小さい音ほどprismが強く掛かる」かを設定する(訳注:検証めんどくさそうなので予想だけど、元のVelocityみたいな意味じゃなくpartialのボリュームを指してるんじゃないかと思う。あと、多分「-」ボタンが「音量に関係なく掛かる」の意味で、右上矢印ボタンが「大きい音ほどprismが強くかかる」、右下矢印ボタンが「小さい音ほどprismが強く掛かる」なんじゃないかと思う。検証してないけど。)。

Prismに関するアーティキュレータ:

  • Prism amount - 上記「AMT」コントロールに相当するアーティキュレータ。
  • Shaping - Harmonic prism。「(AMTが全体に掛かるのに対して)各partial毎」に定義される、Prismの掛かる量。このエンベロープは負の値を持つこともできます。横軸はpartialの周波数です。

(訳注:光学プリズムをイメージして、Prism amount=「プリズムの材質(屈折率)」、Shaping=「プリズム形状」を決めると考えると大体合っていそう)

Harmonizer(ハーモナイザ)(一部未訳)

Harmoniser(ハーモナイザ)は既存のharmonicを複製し、様々な形でトランスポーズ(周波数移動)します(加算的/乗算的/オクターブ/固定量のトランスポーズができます)。

amtHarmonizerのmix。
width「上方向(高次倍音の方向)」へ複製する倍音の数。
strSTRengthツマミは、生成した倍音のうち最初のいくつかを強調します。
shift基音と、ハーモナイザで生成される第一倍音までのオフセット(ofs:オクターブ単位)、または間隔(step:何倍音毎に生成するか)。
gap第一倍音とそれより上の倍音とのギャップ。

Harmonizer用のアーティキュレータ

  • Harmonizer mix - 上記の'amt'の値に相当するアーティキュレータ。
  • Harmonizer width - 上記の'width'の値に相当するアーティキュレータ。

Unison(ユニゾン)

ユニゾンは「厚みを持たせる/ステレオ化する」エフェクタです。
「コーラス」エフェクタと似ていますが、コーラスが最終的なアウトプットに掛けられるのに対し、ユニゾンはノート単位で掛けられるという違いがあります。ユニゾンはユーザーが設定した数だけ「Subvoice」を生成します(Subvoice数は画面上の"order"窓をドラッグしての設定します)。Subvoiceには、元の音に対する相対値で、パン、音量、ピッチ、フェーズ(位相)を設定できます。

Order窓Subvoiceの数です。注:CPU負荷が高いので加減して使いましょうましょう。
Unison typeメニューSubvoiceの「ピッチ」と「パンの広がり方」のバリエーションを選択します。どれを使うかは、耳で判断してください。
altスイッチゲインの極性を変えます(訳注:意味がわかりません)
panスライダSubvoiceのパンを調整します
pitchスライダSubvoiceのピッチのバリエーション(つまりはデチューン)を調整します
phaseスライダSubvoiceの、Timbreでのフェーズ(位相)を調整します。

注:phaseは、高音のノートでは100%(full blur)に設定すると自然なユニゾンとなります。一方、低音のノートで100%にするとノイズと原因となります。

Unisonのアーティキュレータ:
Unison pitch thickness - 上記のPitchスライダに相当します。各種のMappingエンベロープが利用できます。
Unison phase - 上記のPhaseスライダに相当します。各種のMappingエンベロープが利用できます。
Unison index mapping - Pitch、Prism、Pluckなどの各種Editor Targetにターゲットには、Unison index mappingというアーティキュレータがあります。'Pitch > Unison index mapping'あたりは利用価値が高いでしょう(訳注:説明が難解ですが、これを利用すると、「Subvoice数を3にして、1つ目のSubvoiceは3度上でPanは左寄せ、2つ目のSubvoiceは5度上でPanは右よせ」とかいうことができます)。

画面左のボタン(Left-side Buttons)

上から、

()About Harmorこのプラグインの情報を表示します。Harmor chanの画像はUruido氏の手によるものです。
()Browse envelopes / imagesFL Studioプラグインとして動作しているときは、FL StudioブラウザのHarmor関連フォルダが開きます。エンベロープや画像リシンセシス用のデータは、ブラウザからプラグインの該当エリアにドラッグ&ドロップして利用します。

Pitch(ピッチ)(一部未訳)

(訳注:原文で特に触れられていませんが「ピッチ」は「基音の高さ」を扱います。Vibrato、Legato、PortamentはいずれもHarmorの文脈では「音高の滑らかな変化」として扱っているので「ピッチ」のUIセクションにまとまっています。)

oct/Hz(スイッチ)ピッチ変更の度合いを、オクターブ(unweighted)単位で行なうかHz(weighted)単位で行なうか選択します。
freq周波数(Frequency)に対する乗数です。分子/分母です(訳注:元が440Hzのサイン波でこの値が3.0000/2なら660Hzになる。ということです)。
detune基音に対する倍音のdetune具合です。分子/分母です(訳注:2.0000/1とかやると、「Timbreで設定した1,2,3,4倍音のpartial」が1,3,5,7倍音であるかのようにデチューンされて生成されます。3.0000/1とかやると「Timbreで設定した1,2,3,4倍音」がそれぞれ移動して1,4,7,10倍音となります。ちなみに、Harmorでは「Timbreで横線を描くとノコギリ波になる」ようにデフォルトで「倍音に対してブラウンノイズ的なウェイト」がかかってる関係で、1,3,5,7倍音以下略が鳴っても「普通に矩形波を鳴らした場合の音」とは違った音になります)。
envツマミ-1から+1の値を持ち、Pitch関係で定義される全エンベロープに乗算されます(訳注:PitchのEnvelopeを酷使している「Nyan cat」プリセットあたりでこのツマミをいじると意味が楽しくわかりやすいかも知れません。あくまで「Pitchの」エンベロープに有効なのであって、PitchのEnvelopeとかLFOとか各種mappingには有効ですが、「Pitch Vibrato Depthエンベロープ」とかには効かないようです)。
Vibratoいわゆる「ビブラート」です。ピッチを高速で変化させます。ヒント:MIDIの「aftertouch」をVibratoのツマミにリンクさせる使い方がオススメです。FL Studioの場合、1)MIDIキーボードのキーをプレス&ホールド(叩いて押しっぱなしに)。2)その状態でツマミを右クリック、「remote control settings」を開く。3)そこでキーをさらに強く押し込む。という手順で「aftertouch」をこのツマミにリンクできます(訳注:とは言え、after touchに対応してないMIDIキーボードが多い気もします)。
Depthツマミビブラートにおいて、基準となるピッチからどの程度大きく揺らすかを表します。
Speedツマミビブラートにおいて、ピッチの揺れる速度を表します。
Legatoノートのアタックに影響を与え、連続するノートが繋がって鳴るようになります。
Portamento curve (スイッチ)ポルタメント(pitch slide)カーブを"線形型"、"対数型"から選択します。
Portamento/Legato time(スイッチ)glide時間を固定にするか可変にするか選択します。glide時間はノートの音高の差とspeedツマミ(+/-)に依存します(訳注:どのspeedツマミ?)。
timeツマミポルタメント/レガートのslide時間を制御します。:このツマミは画面左下にある「Global」セクションのporta、legatoスイッチのいずれかがオンになっている時だけ機能します。
limitツマミポルタメントが有効になる音程の限度を設定します。音高の差が大きい場合にポルタメントしなくなります。:このツマミは画面左下にある「Global」セクションのportaスイッチがオンになっている時だけ機能します。(訳注:具体的には、C4からE4にはポルタメントするけど、C4からA4へはポルタメントが無効になってジャンプするとかいう設定ができる、という話かと思います。)

(訳注:ピッチの機能は、音としても割とわかりやすいものですが、FL Studioのピアノロールで「何がしかのメロディ」を設定して再生しながら、ビジュアライザで「音高の変化の仕方」を観察しながら各種スイッチをいじると、意味がわかりやすいと思います。超余談ですが、Vibrato/Legatoをテキトウにかけると歌唱っぽくというかボカロっぽくなります)

Filter(フィルタ)(一部未訳)

フィルタパネルでは、フィルタの種類とカットオフ周波数を扱います。

  • ENVノブ - エンベロープの適用度合いです。中央を0とし、-100%から+100%の値をとる双方向ツマミとなっています。
    • adapt - エンベロープを「順応モード」で適用するスイッチです。オンにすると、フィルタのバンド幅がノートの周波数の関数として自動的に変化し、ノートの音程に関わらずエンベロープのデュレーションが一定に聞こえるようになります。オンにするかどうかは、耳で判断してください。
  • oct/Hz - レゾナンスの周波数のピークの形をオクターブかヘルツか選択します。オンにするかどうかは、耳で判断してください。
  • kb track - キーボードトラック機能です。ピッチによってカットオフフィルタのオフセットの値を変更します。オフセットはツマミの位置によってプラスまたはマイナスの値を持ちます。この機能は、例えば、高いキーを演奏する際にローパスフィルタのカットオフ周波数を上げて音を明るくする、といった場面で有効です。
  • width - フィルタのバンド幅です。古典的フィルタで言う「dB/Octave」設定に相当します。widthを狭くすると、「中央周波数」や「カット周波数」がより明確になります(訳注:「縦軸をそのままで横軸=widthを狭く狭くすれば当然勾配が急になる」といった話です。「エッジの勾配が緩やかなfilter type」、例えば「Classic band pass」を設定してwidthをいじってみると効果が顕著なのでわかりやすいかと思います)。
  • FREQ - フィルタのカットオフ周波数です。この周波数は、このつまみの左に並ぶ緑のツマミ全てに影響を与えるものです。
  • Filter type menu - ツマミの上そばある黒いドロップリストです。カットオフ曲線の種類を選択します。「crude」は最も急な勾配を持つ設定です(訳注:Classicは電子工作で作るフィルタを模したもの、Crudeはそれを性能アップした感じのもの、それ以外はプログラム的に作ってみたけどドヤ?、と考えたら、だいたい合ってるかと思います)(訳注:HarmorのバージョンアップでFilter typeは増えてて、英文マニュアルも追随してないのもあったりするようですが、「ノコギリ波(Harmor起動時にロードされるdefaultパッチなど)のような広帯域に倍音が鳴る音を選択」して、「倍音が多く生成されるC2あたりのノート」を鳴らしつつ、「FREQ=50%、width=50%」に設定して、「ビジュアライザ(Harmorの"Visual feedback")やFLの"Output Monitor Panel"のspectrumモードを開いて見ながら」、「Filter type menuをいろいろ選択」すると「変な名前のfilter type」も「なるほど」と思えるかも知れません。「首が細くくびれたSnake」は日本には多くない気はしますが)。
フィルタタイプ説明訳者追記オマケの訳者追記
Low passカットオフ周波数より上の周波数をフィルタしますつまりFREQで指定した周波数より低い音=Lowが素通り=passします20Hz○○○○○★×××××20kHz
Band passカットオフ周波数の両外側の周波数をフィルタしますつまりFREQで指定した周波数帯=band付近が素通り=passします20Hz××××○★○××××20kHz
Band stop中央周波数帯の内側の周波数をフィルタしますつまりFREQで指定した周波数帯=band付近をストップします20Hz○○○××★××○○○20kHz
High passカットオフ周波数より下の周波数をフィルタしますつまりFREQで指定した周波数より高い音=Highが素通り=passします20Hz×××××★○○○○○20kHz
Phaser「櫛(くし)状フィルタ」です。
複数のBand stopフィルタが直列に重なって適用されます。
FREQの周波数を中心にwidthの幅分、四帯域をストップするようです。20Hz○○×○×★×○×○○20kHz
Custom shape 1&2ENV画面の「Filter shape 1 & 2」で設定したユーザー独自形状のエンベロープでフィルタします。何でもアリです。
エンベロープの中央がFREQで指定した中央周波数、width100%の場合全帯域をカバー。
width50,FREQ50に固定するとEQのようになります。
20Hz?????★?????20kHz
  • Filter 1 & 2 mix - フィルタパネルの中央にある緑のツマミです。「フィルタ1」、「フィルタ2」と、右側の赤紫で示される「フィルタレゾナンスセクション」のつながりを設定します(下図参照)。(訳注:図はメンドウなので、必要ならオフィシャルのマニュアルのHarmorのページを見てね。)
    • ツマミが12時方向より左にある場合 =(1 - Mix) * F1 + Mix * F2
    • ツマミが12時方向より右にある場合 =(1 - Mix) * F1 + Mix * (F1⇒F2)
      • F1はフィルタ1(パネル左上)の出力
      • F2はフィルタ2(パネル左下)の出力
      • F1⇒F2はF2で処理されたフィルタ1の出力
      • Mixはこのツマミ(Filter 1 & 2 mix)が示す値
        ヒント:ADV画面の「UNIT ORDER」で「FILTER 1」より後に各種UNITが置かれていた場合、F1は「F1+続くユニット」として扱われます(訳注:いまいち意味がわかってない)。

フィルタ/RES(レゾナンス)

  • RES - フィルタレゾナンス。このツマミは、カットオフ値(FREQツマミで設定した周波数)付近を強調します。これによってレゾナント(=響き)を強くします(訳注:レゾナンスはあくまで強調であって、FREQで指定した中央周波数帯域で元となる音が全く鳴っていない(=Timbreがサイン波とか倍音が少ない波形の場合やその前にフィルタでカットしてる場合に起こりがち)と何も起こらないようです)。
  • Resonance type menu - レゾナンスの種類を選択します。
レゾナンスタイプ説明訳者追記訳者追記
似てない?
Classic狭いレゾナンスピーク1つ。――八――
Cuberdon様々なレゾナンスピーク形状です。
フィルタの名前は実際のスペクトルの形状に由来します。
Cuberdon=ボンボン的菓子らしい。
Classicよりも山が険しいようです。
――∩――
Pedestalpedestal=脚=台座=台形――Π――
Sedge hatSedge Hat=スゲの平たい三角帽。
中央が尖る。
――Λ――
Wide bump広いでっぱり。
中央部が平たい。
―/ ̄\―
Double coneDouble cone=2つの円錐
中央ではなくその両脇にCuberdonのような山。
―∩―∩―
Wellカットオフ周波数(中央周波数)とその周辺(上下)を「カット」します。
倍音列とレゾナンスが重なって、意図しない「干渉」や、特定周波数だけが過度に響くのを避けるために使用します。
Cuberdonをひっくり返したような形で減衰します。――∪――
WormholeWellの両脇が盛り上がる形。
母音的なスペクトルになります。
―∩∪∩―
Noiseこれは毛色の違う特殊効果です。ランダムなハーモニクスを強調します。これを選択した場合、
「RES」ノブはランダムの度合いを、
「width」ノブはハーモニクスが変化するまでの時間的長さを表します。
中央周波数関係なく全帯域のpartialにランダムで掛かるようです。※※☆★※
Custom shape 1 & 2ENV画面で独自に設定した「Filter (resonance) shape 1 & 2」エンベロープを使う。Custom shape 1とか表示されてややこしいですが、
実際のエンベロープはENV/shapingの中の「Resonance shape 1」(&2)です。
何でもアリ。
Low passClassicに似たピークですが、ピークの右側(高音域)をカットします。
実質上「もうひとつのローパスフィルタ」となり、
ピークがある分、ローパスによって削られる傾斜がより急激になります。
――∩__
  • width - レゾナンスピークの幅。左=狭い、右=広い
    • adapt - 順応モード。フィルタのバンド幅が、ノートの周波数(訳注:要は音程)の関数となって動的に変化します。レゾナンスの音が音程によらず一定に聞こえるようにできる場合があります。耳を頼りにオンオフしてください。
  • ofs - レゾナント周波数のオフセットを+/-2400セントの範囲で設定します。注意:Low passモードでは、オフセットの値次第ではレゾナンスがフィルタのカットオフに引っかかって聞こえなくなる場合があります。
  • osc - オシレータ音量。音程感を確保するために専用のサイン波を生成します。ofsツマミの設定などでレゾナンスピークがカットオフ周波数を超えてしまう場合などに有用でしょう(上のofs項参照)(訳注:マニュアルの説明がよく理解できてないのですが、実際にはこのツマミを右に回すとF1のFREQで指定した周波数のサイン波が一つ発生します。本来の目的とは多分違うしF2には使えませんが、F1のFREQツマミが指している周波数を知りたい時に便利かもしれません)。
Filterのアーティキュレータ
Filter 1 & 2 frequency上記「FREQ」ツマミに相当。
Filter 1 & 2 width上記「width」ツマミに相当。
Filter 1 & 2 resonance amount上記「RES」ツマミに相当。
Filter 1 & 2 resonance offset上記「ofs」ツマミに相当。
Filter 1 & 2 Mix上記「Mix」ツマミに相当。

Pluck(プラック)

Pluckは「ディケイ(減衰)」に特化したフィルタです。フィルタ形状は、ENV画面のPluck shapeエンベロープで設定されます。Pluck shapeは横軸が周波数、縦軸は周波数の関数としてディケイ時間が設定されます。デフォルトではノートオン直後に高周波が減衰し、徐々に低周波が減衰していくようになっています。これは、実際に弦楽器を弾いた時に起こる、「弾いた直後に明るく、急速に鈍い音になっていく様子」を模したものです。「Pluckを強く掛ける」ということは「(ピアノのダンパーの仕組みや、ギターなら弾いた弦を押さえるなどして)弦の響きを抑える」といった意味になります。

TIMEディケイ時間。'Pluck shape'の倍率。
 blurHarmorの「BLUR」セクションのblur decayを無効にして、Pluckで置き換えます。

Pluckのアーティキュレータ

  • Pluck amount - 上記Pluckツマミに相当(訳注:原文に説明文がないよ)。

Phaser(フェイザー)

フェイザーは「周波数キャンセル(phasing)によって常に変化する音」を作り出す「フェイジング」を行うエフェクタです。通常のフェイザーが元となる音全体を対象するのに対し、Harmorのフェイザーは個々のharmonicsに対してキャンセルをかけることができます。Timbreに対して「キャンセルパターン」を適用して、自由度の高い効果を生み出すことができます。
(訳注:Harmorのフィルタは多分通常の感覚のフェイザーとはかなり違うものなんじゃないかと思います。Harmorの仕組み上、通常のPhaserがやるような「元の音に逆位相の音をぶつけることでキャンセルする」までもなくデジタルで打ち消し処理できるので、独特な仕組みで動くものを作ったということのような気がします。)

  • MIX - フェイザーの適用量です。
  • Phaser type menu - フェイザーの種類を選択します。フェイザーの種類は、大きく以下の3種類に分けられます。
    Classic, Triangle, Eggsこれらは、古典的なフェイザーと似た働きをします。
    Deep, Deeper, Condom, Twins, Cascade & BoxHarmorの加算合成の機能をフルに活かした特殊フェイザーです。
    freqさらに特殊なフェイザーです(訳注:既にフェイザーと呼べるのか果てしなく疑問なぐらい特殊なフェイザーです)!定義されたエンベロープに沿って、Timbre内の全partialの周波数を動かします。
    customユーザー定義のエンベロープ(ENV/Shaping/Phaser shape)を使用します。
  • Phaser scale - フェイザーのスケールをoctave, Hz, harmonicsから選択します。どれを選ぶかは耳で判断してください。harmモードは「PWM(pulse-width modulation) oscilattor sync」に相当し、FM音源的な音になります(訳注:いまいち意味がわかってません)。
  • WIDTH - 右にひねるとより豪快なフェイジングとなります(訳注:ノコギリ波などに掛けてビジュアライザを見るとわかりますが「右にひねる=くしが縦に伸びて荒くなる」という仕組みです。用語にあんまり自信がないですが「フェイジングのパターンの1サイクル分が適用される周波数帯の広さ」とか言えるかも知れません)
    • lfo - WIDTHLFO設定です(訳注:原文の意味がよくわかりませんが、多分ENV/Articulation/Phaser widthのLFOエンベロープの話です)。
  • OFS - マスク(キャンセルパターン)のオフセットです(訳注:ビジュアライザで言えば、「くし」の上下位置です。オフセットなので、相対的なものです)。
    • lfo - OFSLFO設定です(訳注:原文の意味がよくわかりませんが、多分ENV/Articulation/Phaser offsetのLFOエンベロープの話です)。
  • speed - フェイズキャンセルがスペクトルを走査する速度です(訳注:他の要素との使い分けがいまいちわかってませんが、LFOとは違って、speedは一方向に走査するものです。中央で停止、「くし」が、右へひねると低音から高音方向へ左へひねると高音から低音方向へ走査します)。
  • kb.t - キーボードトラッキングです。ノートのピッチ(訳注:要は叩いたキーボードのキー)に応じてフェイザーの適用量(訳注:MIXツマミに相当)が変化するようになります。

フェイザーのアーティキュレータ

  • Phaser mix - 上記MIXツマミに相当します。
  • Phaser width - 上記WIDTHツマミに相当します。
  • Phaser offset - 上記OFSツマミに相当します。

(訳注:フェイザーの動きは、Harmorのビジュアライザでもいいのですが、FL StudioのツールバーのOutput monitor panel( http://www.image-line.com/support/FLHelp/html/panel_outputmonitor.htm )をいつもの?oscilloscopeモードから「spectrum」モードにしておくとなんとなーくわかるような気がします)。

EQ(イコライザ)

EQ(イコライザ)は音色のバランスを調整します。イコライザの設定は、ENV画面の「Shaping > Global EQ」でエンベロープの曲線を描くことで行なわれます。EQの唯一のコントロールである「MIX」ツマミは、このエンベロープを適用する度合いを調整します。なお、デフォルトではこのエンベロープがflat(全音域で0)となっているため、MIXツマミをひねっても効果はありません。

MIX元となる音(dry)と、EQエンベロープを適用した後の音(wet)の比率。

EQのアーティキュレータ:

  • Equalization curve - 「ENV > Shaping (section) > Global EQ」で設定します。
    ヒントHarmorではいくつかの設定済みエンベロープを利用することができます。Optionsメニューから参照してください(訳注:OptionsメニューはENV画面のエディタの左下にある右向き▲の小さいボタンを左クリックで開きます。エンベロープはファイルとして管理されており、EQ向けに作成されたエンベロープは名前の先頭に「EQ - 」がつけられています)。

Visual Feedback(ビジュアルフィードバック)

Visual Feedback(ビジュアルフィードバック)パネルはシンセシスエンジンに送られるpartialsの情報を可視化します。Harmorの各機能がどのように働いているのか学習するための、完璧な情報源となります。音(patch)作りの間は常に開いておくのがよいでしょう。何より、とりあえずかっこいいのでギャラリーへのアピールにもなります。

Visual feedback (switch)画面中央右にある(訳注:「熱血目玉」風のラベルが付いた)スイッチです。押すとVisual feedbackパネルが開きます。さらに押すとパネルが大きくなり、もう一度押すと閉じます。
Oct / Hz (switch)Visual feedbackパネルの、縦軸のスケールをオクターブとするかHzとするか選択します。「オクターブ」と「Hz」の違いはLog/Linearの違い、対数グラフと線形グラフの違いです。よくわからない場合はこのビデオチュートリアル集が参考になるでしょう(訳注:英語がわかれば)。

ヒント:Visual feedbackは最後に出力された「単音の倍音列(monophonic harmonic series)」を可視化します(訳注:言い換えれば、キーボードから和音を引いても出るのは一つの音についてだけです)。Visual feedbackはCPUを消費します。HarmorによってCPU負荷が上がっているようであれば、パネルを閉じることをお勧めします(訳注:FL Studioでは、標準でCPU負荷を表示するパネルが開いているので参考となるでしょう)。
HarmorをVSTiとして使用している場合、環境によってはビジュアライザがHarmorの画面の上に表示される場合があります。これはその環境でプラグインのリサイズが許されていないためです。

Global Controls

「Global Controlsパネル」では、「ポルタメント(portta)、ストラム(Strum)、モジュレーション(MOD)といった、表現上のパラメータをコントロールできます。また、Harmorが持っている2つのシンセサイザ「A/B(PART)」の切り替えもここで行います。

Optionsメニュー(Globalと書かれた場所のそばの「▼」の描かれたボタン)
Copy preset現在の「プリセット(訳注:DTMでよく使う用語。音色などのデータ)」の情報全体を、OSのクリップボードにコピーします。Harmorを複数起動している場合、別のHarmorにペーストするために使用します。
Copy part現在の「プリセット」の情報のうち、「現在選択しているPART」のデータのみを、OSのクリップボードにコピーします。PartAからPartBにコピーしたり、別に起動しているHarmorのPARTにペーストするために使用します。
Paste preset/part上記のコピーコマンドでコピーしたものをペーストします。別に起動したHarmorのインスタンスにペーストすることもできます(訳注:というより、そういう使い方の方が多いでしょう)。
Lock part現在選択中のPARTをロックし、変更できなくします。もう一度実行するとロック解除します。
ChorusFXパネルにある「Chorus」の、プリセットをロードします(FXパネルにある「Chorusのオプションメニュー」からロードするのと同じです)。
ReverbFXパネルにある「Reverb」の、プリセットをロードします(FXパネルにある「Reverbのオプションメニュー」からロードするのと同じです)。
About HarmorHarmorのバージョン情報、クレジット情報などを表示します(訳注:オプションメニューのちょっと上にある「M」っぽいロゴのついたボタンを押したのと同じです。一度は実行してHarmor-chanに会っておきましょう)。
lfo現在のプリセットで設定されている全てのLFOエンベロープを、まとめてスケーリングします。中央が0で、正負の値を持ちます。
velHarmorへ送られたベロシティを、ボリュームに反映します(訳注:大雑把に言えば、「OFFにすると音量が一定になります)。
Part controlsHarmorのA/Bパートをコントロールします。Harmorの中に「A」、「B」と呼ばれる、それぞれが独立したシンセサイザがあると考えてください。
  A/B  
(スイッチ)
編集するパートを選択します。「A、Bをそれぞれステレオの左右に割り当てたい」といった場合は、「ENV>Panning>Envelope」エンベロープでそれぞれを左右方向に割り当てるとよいでしょう。
Part mix
――▲――
AとBの音量バランスを設定します。この設定を扱うEnvelopeは用意されていませんが、必要であればA、BそれぞれのVolumeのEnvelopeでバランスを取るとよいでしょう(訳注:「Harmorのプリセットとして配布するためにHarmorだけでどうにかしよう」とか考えなければ「Fruity X-Y Controller等にリンクする」とかどうとでもオートメーションできる気はします)。
Activate switches

―――――
「Part mixスライダ」の両脇にあるスイッチは、A、B各パートをON/OFFします。
Link parts
[PART∞link]
通常、HarmorのUIの上半分を占めるパネルに対する操作は、  A/B  スイッチで「選択した一方にだけ」適用されますが、「Link partsスイッチ」をONにしておくとA/B「双方に同時に」適用されるようになります。このスイッチはONにしている間だけ有効なので、A/Bで共通した設定をする時はONにして操作し、A/Bで違う設定をするときはOFFにして操作するとよいでしょう。ヒント:「Link partsスイッチ」は、Harmorを直接操作する時にだけ有効な設定です。「Link partsスイッチ」をONにした状態でHarmorの外部のコントローラから操作した場合(端的には「ツマミの右クリックメニューの'Link to Controller'等でMIDIコントローラにリンクさせてオートメーションした場合」など)には、A/Bパートは連動しません。必要であれば「A/Bそれぞれのツマミを同じ外部コントローラにリンクする」などといった方法で対応してください。Harmorの中で行うオートメーションであれば、A/Bパートは連動して動作します。
Limitlegatoの効果を適用する音高変化の範囲。この範囲を超えた場合はlegatoではなくポリフォニックになります(訳注:具体的にいえば「legatoがONの場合ドを押しながらレを押すとドの音がレの音にぐにゃっと変化するが、ドを押しながらミを押すとドの音が鳴ったままミの音も鳴るといったことをしたい」というときや、その上で「ミまではぐにゃっと上げててファからは和音になるようにしてよ」という設定ができる)。
Legato (スイッチ)LegatoをONにするとモノフォニックモードとなります。モノフォニックモードでは、重なったノートがスライド(訳注:音の高さが滑らかに変化する。エレキギターとかで使う用語らしい)で演奏されます。ヒント:このコントロールは、A/BパートのLEGATOパネルの'timeツマミ', 'Portamento / Legato time (スイッチ)' & 'legato curve (スイッチ)'の各コントロール全てに影響を与えています。
porta(スイッチ)porta(ポルタメント)は重なったノートをスライドで演奏するスイッチです。ただし、Legatoとは違い、ポリフォニックモードとなります。ヒント:このコントロールは、A/BパートのLEGATOパネルの'timeツマミ', 'Portamento / Legato time (スイッチ)' & 'limitツマミ'の各コントロール全てに影響を与えています。
vel (スイッチ)velスイッチをONにすると、Legato, portaの'attack time'で、note-onのベロシティが有効になります。同時に、Legatoの'release time'で、note-offのベロシティが有効になります。
Strum和音が鳴らされた際に、発声を遅らせます。'timeツマミ'を大きくすると'strum'ギターをかき鳴らすような効果が得られます(訳注:端的には「Piano-rollに和音(chord)を書いた時」に、「和音を構成する一つ一つの音のタイミングをずらす」ことで「ギターをぽろろんと弾いたような効果を得る」というための機能です。Piano-roll側でノートをずらして書いても同じ効果は得られますがHarmorの「Strumを使うと楽な場面」はあるでしょう)。ドロップリストでは「かき鳴らす方向」をUp/Down/Alt/Randamから選択します:
Up和音の、一番低い音が最初に発声し、高い方へ向かって順番に鳴らします。
Down和音の、一番高い音が最初に発声し、低い方へ向かって順番に鳴らします。
Alt和音を鳴らすたびに、UpとDownを交互に適用します。
Random和音を鳴らすたびに、UpとDownをランダムに適用します。
timeかき鳴らす速度を設定します(訳注:和音のすべての音が鳴るまでのディレイが大きくなるということです。くどいかも知れませんが)。
tns (tension)1つの和音の中で加減速します。左=加速します。右=減速します。(訳注:ツマミの上の図を見るとなんとなくわかると思います。左だと「たんたたたーーーん」、中央だと「たたたたーーーん」、右だと「たたたんたーーーん」という感じになります。こういうものを「テンション」と呼ぶのは、Harmorのエンベロープを始めとして、FL Studioで結構使われてた考え方な気がします。よく知りませんが)。
MOD X, Y, Zx,y,zはHarmorで設定したエンベロープの'Modulation target'として自由にアサインできます。例えばXツマミにアサインする場合、ENVパネル上方の「左の'Editor targetドロップリスト'で'アサインするターゲット'を選択」し、「右の'Articulation part'ドロップリストで'アサインされる値'今回の場合'X'なので'Modulation X mapping'を選ぶことでアサインします。デフォルトでは、ツマミの値が直接反映される「フラットな」マッピングが設定されています。ヒント:ツマミの上にある'X / Y modulation窓'を使えば、XとYについては「マウス左ボタンを押してドラッグ」で直感的に操作できます(Xは左右、Yは上下です)。Z軸については「マウスホイール」または「マウスの中央ボタンを押して上下にドラッグ」で操作できます。ヒント:XとYについてはFL StudioのPiano rollの「per-note parameters」に対応しています(訳注:FL Studioの'Piano roll'画面のタイトルバーの一番右にある「Velocity」のとこで'modulation X'とかが選択できます。よく知りませんが文脈的にはたぶんMIDIのメッセージとして扱われてるんじゃないかと思います)。
pre fxFX(Harmorの「FXパネル」で設定されるエフェクタセクション)に送られる音声信号のボリューム。
post fxFXから出力された音声信号のボリューム。
Pitchプレイバックされるピッチ(音高)。ヒント:IMGタブを使っている場合、'SPEEDツマミ'を0に設定した状態で'image window'をマウス右ボタンを押しながら左右で時間、上下でピッチを、スクラブ操作できます(訳注:このヒントが何を言いたいのかよくわかってませんが、「'image window'右ドラッグ操作」では左右はIMGタブのTIMEツマミ、上下はこのpitchスライダが連動して動くようになっています)。

ENV - Envelopes(エンベロープ)(未訳)

...未訳...多分ここがHarmorで最重要。基本操作はFruity Envelope Controllerと同じで、Sytrus等にも同様の機能があるので、そっちの日本語マニュアルがあれば参考になるかも知れません。


IMG - Image Synthesis / Resynthesis(画像シンセ・再合成)(一部未訳)

一部未訳
Harmorの資料/IMG」参照。

FX - Effects(エフェクト)(未訳)

...未訳...DAW使いなら何となく使えそうな気はします。


ADV - Advanced Controls(高度な設定)(未訳)

...未訳...



Formats(サポートするファイル形式)(未訳)

...未訳...


Special note color(FL Studioのピアノロールでの特殊カラー対応)(一部未訳)

FL Studioネイティブ版Harmorは、FL Studioのピアノロールの「MIDI note color」に対応しています。

  • Arp priority - アルペジオの先頭のノートを指定します。
  • Bypass strum - この色のノートはStrumの対象とならず、即座に演奏されます。
  • Inverted legato - レガート状態を反転します。単音でスライドします。「MIDI Channel color 1」のノートに対して使用されます(訳注:「反転」なので、Harmorの音色プリセットでGlobalセクションのlegatoスイッチがオンの場合、このノートはレガートオフ=Slideでないノートになります)。
  • Inverted porta - ポルタメント状態を反転します。MIDI Channel color 1と共に使用されます。
  • Filter frequency - フィルタのカットオフ周波数を表します。周波数の絶対値は(中央の)FREQツマミの値を基準とします。このノート自体は演奏されません。

Making Presets(プリセット作成のヒント)(一部未訳)

Harmorのプリセットを作るに当たって、CPU負荷を下げるいくつかのヒントをここで挙げておきます。とはいえ、CPU負荷軽減に有効なスイッチは、デフォルトの状態でほとんどオンになっています。

画像やWAVは重い画像(埋め込み)やサンプラー音源(音声ファイルへのリンク)はプリセットのサイズを激増させます。リシンセシス機能は強力ですが、使いすぎに注意しましょう。WAVデータの一部だけを使うのであれば、あらかじめその部分だけ切り出したファイルを作成してそれを使うのが効果的です。プリセットを複数使うのであれば、他のプリセットと音源ファイルを共有する(同じファイルへのリンクとする)のも有効でしょう。
発声Harmorが発生を完了するのは「Volume」エンベロープが終わるタイミングです。これを別の見方をすると、Volume以外のエンベロープでリリースパートを定義している場合、それを機能させるにはVolumeエンベロープでも(訳注:他のエンベロープでの定義に見合った)リリースパートが定義されている必要がある、ということです。 Note: If the volume envelope has time smoothing, the voice will end once the smoothing has ended, but only if the end point is at zero (which is generally the case)
軽いの使い込んでもCPU負荷を喰わないコントロールがいくつかあります。local EQ、global EQ、TimbreのMIXは実質負荷0と考えてよいでしょう。
重いの逆にharmonic blur(縦方向へのBLUR処理)は最大級の負荷が掛かります。time blur(横方向へのBLUR処理)の方は軽量です。
低音は重いHarmlesプラグインでも同様でしたが、低い音はpartialをたくさん生成することになります。これはCPU負荷に繋がります。(訳注:基の音が低音である方が可聴域である20Hzから20kHzの間にたくさん倍音があるためです。Harmorでは20kHz(17kHz?)を超えた非可聴域の倍音はそもそも生成しようとしないので負荷になりません)
Pitch bendピッチベンドを伴う処理はCPUの負荷が大きいです。「pitchビブラート+grittinessのオートメーション」を伴うパッチは、PITCH変更を伴うため重くなります。が、ピッチベンドを使うエフェクトが一つでもある場合、ピッチベンドを利用するエフェクトがさらに増えたとしても、CPU負荷がさらに極端に上がるということはありません。
軽いエンベロープMapping型エンベロープの多くはキャッシュされます。キャッシュされるmappingはどんなに複雑であっても深刻なCPU負荷にはなりません。Mapping型エンベロープでキャッシュされるものには、Mod XYZやHeld index mappingがあります。また、Shaping型のエンベロープ(=ENV画面のOptionメニューの右端「Shaping」のカラムに並んでいるもの)は全てキャッシュ対象です。
テンプレートを見るHarmor付属のテンプレートを利用しましょう。テンプレートの中にSynthesisとResyntheisがありますが、これらには違いがあります。例えば、画像シンセシスではcubic interpolation(訳注:cubicに限らず、interpolationはIMG画面にある、補間機能。8x8とかの画像がぴーがー言わずにうぃんうぃんいうのはこれのおかげ。と思う)がよく使われますが、これが、Resynthesisで必要になることはないでしょう。
倍音生成を制限するADV画面のQUALITYセクションで、明示的に倍音生成を抑制することができます。また、そんなことをしなくても「global EQ」Mappingエンベロープを利用するなどの方法で生成される倍音の「天井」を低くすることができる場合もあります。例えば、「EQ - CPU saver for bass」(ベース音用CPU節約設定)を「global EQ」にロードすれば、Harmorはより少ない倍音を生成するでしょう(訳注:具体的にはEQツマミを右クリックして出てくるENV画面のGlobal EQエンベロープの左下の三角でOptionメニューのOpen state file...で「EQ - CPU saver for bass.fnv」というファイルを読む)。
フィルタを無効化するフィルタを全く使わないなら、2つのフィルタと2つのレゾナンス全てで「Custom shape」を選択します。これでフィルタ機能は何もしなくなります。(訳注:当然だが、Filter shape, Resonance shapeを書いちゃったらダメだとは思う)
言うまでもないですが聞いても違いがわからないような設定は、しない方が良いでしょう。例えばHarmonizerのmixを1%に変更しても聴き分けられないのであれば、最初から全く設定しない方がよいでしょう。CPUのムダです。
poly relリリース時間が長い、ストリング系等の音色では、「poly rel」(ADV画面にあります)を設定することでCPU負荷が大きく低減できるでしょう。これはゆるやかなvoice-stealingのようなものです。たくさんのノートが次々に鳴らされる状況で、過去に鳴らしたノートのうち、減衰して50%以下の音量になったものを短時間で自動的に切ります。なお、過去に鳴らしたノートが新たに鳴らしたノートよりとても大きい場合はこの処理は行なわれません。(訳注:すごい大雑把ですが「ピアノの鍵盤を全部叩くような状況では小さい音を多少省いてもわかんないだろうから消しちゃえば計算量が減る」といった考え方かと思います)
プリズムの例プリズム(prism)の便利なマッピングがいくつかハードコードされています(訳注:ENV画面、ShapingカラムのHarmonic prismエンベロープで読み込むための、「Harmonic prism - 」で始まる一連のファイルのことだと思います)。
BrowseボタンBrowseボタン(画面左端中央にある三みたいなマークの丸いボタン)を押すとFL Studioのブラウザが開き、エンベロープの編集中はHarmor/Data/Envelopesに、IMG画面ではHarmor/Data/Imagesにジャンプします(訳注:エンベロープのタイプによってはLFOやMapsに飛ぶようです)。

Plugin Credits(原文のスクリーンショットより)

コード&グラフィクスgol
VSTi版への移植Reflex
Harmless-chanの絵師Uruido(訳注:「Harmor chan」の誤りであるのか、はたまた「Harmor chanの正体は武装したHarmless-chanだったんだよ!」という事かは不明)
プリセット作成gol, Adam Szabo, Alphanimal, Buritse, Ed Chamberlain, Ed Ten Eyck, Julian Ray, Kemmler, Mehran Abbasi, nucleon, Sacco, Toby Emerson
VST plug-in仕様はSteinberg社によって開発されました。

Manual Credits(原文より)

謝辞:nucleon氏にはプログラムのヒントとアドバイスを頂きました。


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Last-modified: 2018-05-21 (月) 15:17:43 (2169d)