「その他」のエフェクトです。

カテゴリ名の「Misc」は"miscellaneous"の略で、「その他」という意味で使われる一般的な英語表現です。
いろいろすぎてカテゴリの傾向が見えにくいのがある意味特徴かも知れません。

このカテゴリのエフェクトは、「エフェクト名右クリック > Show help for this effect」のヘルプがそこそこしっかりしているようです。

Misc(5)

エフェクト名概要
Automator「ZGameEditor Visualizerの中だけで他のレイヤーをAutomation的にコントロールするエフェクト(?)」です。
CoreDump「いわゆる黒い画面」的なエフェクトです。
FruityDanceLineFL-Chanを踊らせるエフェクトです。
FruityIndustryピークメーターの一種です。
MatCap3Dモデルと画像を指定して、「モデルに画像が映りこむ」ようなエフェクトです。
ParamLinkあるレイヤのコントロールを、別のレイヤのコントロールに接続します。
ParamLinkCacheパラメータが32個並んでいるだけで、「何もしない」エフェクトです。
ParamMorphTarget左のレイヤのパラメータの値を初期値、右のレイヤのパラメータの値をターゲット値としてモーフィングします。値は右のレイヤのさらに右のレイヤのエフェクトに反映されます。このエフェクトは、このエフェクトの左右とその右隣り、都合4つのエフェクトを組み合わせて使います。
PentUpピークメーターの一種です。

Automator

「ZGameEditor Visualizerの中だけで他のレイヤーをAutomation的にコントロールするエフェクト(?)」です。

AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:反応しません。

他のレイヤのスライダなどのコントロールを、4つまで動かすことができます。
独自のLFOを持っているようなのですが、テンポとは同期したりはせず、再生状態である必要すらありません。

利用すべき場面はよくわかりません。
AutomatorのレイヤをDisableすればまとめて動きを止めたりできるので「複数レイヤーに渡るひとまとまりの操作をしたい場合」や「LFOっぽい操作をする場合」はこれを使うのがよいということなのかも知れません。
性質上画面には何も出力せず左にレイヤがあればその出力を素通しします。

CoreDump

「いわゆる黒い画面」的なエフェクトです。

AUDIO SRC:音に反応したときだけ更新されます。
IMAGE SRC:指定した画像で「フォントが」置き換わります。
MESH:反応しません。

音を視覚化しているようで、AUDIO SRCに音があるトラックを指定しないと何も表示されないようです。KickやSnare等には反応するようですが、音色によっては反応しないこともあるようで、細かい仕様は謎です。

「UserString」スライダで、「Add content > Text」で書いておいた文字列(原則英数字のみ)を呼び出すことができます。原則的には中央に表示されます。何も表示しないためには何も書かない行を用意しておく必要がありそうです。

映画「Matrix」とかのイメージとのことで、偏執的にいろいろ設定があります。文字はIMAGE SRCの画像を拾っているようなので、Textカテゴリの説明あたりをよく読むと「謎の裏半角カナ文字」とかも出せそうです。IMAGE SRCの扱いについてはあまり調べていません。

core dumpという言葉は「バイナリファイルが異常終了した時などにメモリ内容をファイルシステムに出力するログ」という意味で主にUnix方面で使われる用語です。「vt100」とか画像検索すると「それっぽさ」が「何っぽい」のかイメージできるかも知れません。

FruityDanceLine

FL-Chanを踊らせるエフェクトです。

AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:指定した画像でFL-Chanの画像が置き換わります。
MESH:反応しません。

既存の「FruityDance」プラグインと類似した仕組みのようなので「FruityDance」プラグインについて調べると発見があるかも知れません。FruityDanceとは違って、ダンスのパターンはMIDIではなく「Dance」スライダで指定します。

FruityDanceLineの"Line"はラインダンスのラインのようです。「Group Size」スライダを使えばたくさん分身してラインダンス?を踊ります。

IMAGE SRCが設定されているとその画像を使うようなので、根性とセンス次第では自分で書いた絵のアニメーションも可能です。検索すると画像を入れ替えた使用例が結構見つかるかも知れません。
デフォルトの絵は「FruityDanceLine.zgeproj」プロジェクトファイルに埋め込まれていて、ZGameEditor開発環境を使って画像ファイルに抽出することも可能です(FruityDance用の画像と同じ「8フレーム10パターン」の内容ですが、画像サイズはOpenGLの制約なのか1024x1024になっていて異なります)。
参考:FruityDanceLineのアレ

FruityIndustry

ピークメーターの一種です。

AUDIO SRC:音に反応したときだけ表示されます。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:形を構成する立方体が、指定したメッシュで置き換わります。

素直な感じの、「音に反応する」、「見ればわかる」系ビジュアルエフェクトのようです。Object Arraysカテゴリの「CubesGrasping」エフェクトと挙動がとてもよく似てるのですが、なぜMiscカテゴリにあるのかちょっと謎です。

Meshを指定すると結構印象が変わるかなと思います。

色つきですがHueへの反応は良いようです。

Industryという名前に何か深い意味があるのかわかりませんが、標準状態では動きが直線的で単純なので、「工場(industry)」のイメージなのかも知れません。

FL12.3(patch)のFruityIndustryは挙動がちょっと怪しいところがあって「常に背景」となるようです。たとえば、「FourCornerGradient」エフェクト等の上(右)に「FruityIndustry」エフェクトをおいた場合「FourCornerGradient」の出力しか見えない、逆にすると両方見える、とかいうことが起こっています。設計上の意図がある可能性もなくはないですがバグのような気がします。

MatCap

3Dモデルと画像を指定して、「モデルに画像が映りこむ」ようなエフェクトです。
「Add Contents->Meshesからメッシュを追加」して「ドロップリストで選択する」という仕組みさえ理解していれば、カンで使えると思います。
「映りこみ」がこのエフェクトの本領かと思います。映り込みに興味がないけどとにかく3Dメッシュを表示したいという場合は、HUDカテゴリの"HUD 3D"エフェクトを使う方が良いかもしれません。

AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:環境マップ(Sphere map)として3Dモデル表面に反映するようです。
MESH:指定したメッシュが表示されます。

"MatCap"(もしくはSphere mapping)という言葉のニュアンスはまだよく理解していないのですが、大雑把には「自分が巨大なボールの中にいて、内側に壁紙が貼ってあって、目の前の立体にその壁紙が映りこむ」というような仕組みのようです。Unityとかそっち系では一般的なCG用語です。

恐らくは専用の「巨大なボールの中に貼るために用意された壁紙」を利用するべきで、多分それを生成するCGソフトやデジカメ、あるいはそれ向けの既成の画像もあるかと思います。
一般論ですが、重要なのは画像よりモデルの方で、複雑な形状であればあるほどこの壁紙はわりとテキトウでも(空が青く地面が緑、程度の絵でも)それっぽく見えるかと思います。逆にCylinderとかSphereのような単純な形状だとSphere mapの仕組み上、あんまりかっこよく見えないかなと思います。

利用できるMesh素材は、.3ds、.objといったサードパーティの3Dソフトで読み書きできるファイル形式のほか、FL Studioで提供されている素材は.zgeMeshという形式となっているようですが、これについては未調査です。

Texture Opacityトグルをオンにすると、Opacityスライダが他のエフェクトのAlphaスライダのような動作をするようです。

Blend modeスライダを動かすとでポリゴン面単位の半透明化とかもするようですが細かい挙動は未調査です。

ParamLink

あるレイヤのコントロールを、別のレイヤのコントロールに接続します。

AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:指定可能ですが、挙動が不明です。
MESH:反応しません。

大雑把に言えば、「LayerAの1つめのスライダの動きを拾って、LayerBの3つ目のスライダにコピーする」みたいな機能を提供します。という所までわかれば、
・Enabledをオン
・Layer srcで、コピー元の値を持つレイヤを指定、
・Param srcで、コピー元の値を持つレイヤのスライダ(あるいはその他のコントロール)を指定、
・Layer tarで、コピー先の値を持つレイヤを指定、
・Param tarで、コピー先の値を持つレイヤのスライダ(あるいはその他のコントロール)を指定

で、
・Layer src+Param srcで指定した、コピー元の値を持つスライダを動かす

と、観察することができます。
細かい指定はいろいろあるようですが、基本的な仕組みは「FL Studioのツマミを右クリックしてLink to controllerしたときに出てくるRemote control settingsダイアログ」と同等と思われるので、その辺( https://www.image-line.com/support/flstudio_online_manual/html/automation_linking.htm とか。解説動画とかも探せばあるようです。)を調べてみると良いと思います(と思いますが、使い込んでみてないのでわりとあてずっぽうです)。各種こまかい設定については、

・まず、「Graphトグル」をオン

すると、なんとなく見えてくるはずです。

ParamLinkCache

パラメータが並んでいるだけで、何もしないエフェクトです。マジです。何もしません。
Pluginのヘルプを見ると

A effect containing parameters which can be used to "compute" temporary values by effects
...
Parameters has no other functionality than store values.
 
意訳:このエフェクトにはパラメータがいっぱいあって、ほかのあれこれのエフェクト「から」使えるよ!
パラメータは「値を持つ」以外の機能はなーんにもないよ!

と、がっちり書いてあります。あんまり見かけ重視ではないですが、機能的には「FLのDashboardプラグイン」辺りと比較することはできるのかも知れません。

ParamMorphTarget

左のレイヤのパラメータの値を初期値、右のレイヤのパラメータの値をターゲット値としてモーフィングします。値は右のレイヤのさらに右のレイヤのエフェクトに反映されます。
AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:反応しません。

はい。わけがわかりませんね。

プラグインヘルプでは、
・LayerAにParamLinkCacheを配置。
・LayerBにParamMorphTargetを配置。
・LayerCにParamLinkCacheを配置。
・LayerDに表示したいプラグイン、たとえばPolarを配置。

という使用例が紹介されています。

その上で、LayerCのスライダの、例えば01を100%とかテキトウに動かして、
ParamMorphTargetの「Enableトグル」をオン、
ParamMorphTargetの「Morphスライダ」を動かすと、
LayerDのプラグインの一番上のスライダが動きます。

"morph target"というのは3DCGとかでよく使う考え方で、「アニメーションの原画が2枚あって最終フレーム」をmorph targetと呼んで、そこまでの動きの「中割り」をするみたいな意味で使います。

上の例のLayerAとLayerCでは「ParamLinkCache」プラグインを使っていますが、ほかのプラグインでも良いようです。ただ、ParamMorphTargetの意味からすると、A,Cの機能のうち、用があるのは「パラメータの値だけ」なので、「何も表示しなくて、スライダがいっぱいあって、何もしないプラグイン=ParamLinkCache」を使うのがわかりやすく無難、という気はします。

PentUp

ピークメーターの一種です。

AUDIO SRC:音に反応したときだけ表示されます。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:形を構成する立方体が、指定したメッシュで置き換わります。

「FruityIndustry」とほぼ同じ性格のエフェクトで、複雑さの方向が若干違うもの、と考えてよさそうです。

pentは「囲う」、pent upは「閉じ込められる」といった意味のようですが、pentaは「5」(pentagonは「五角形」)、pump-upが「ポンプで空気入れする」みたいな意味なのでそのへんが混ざっているのかも知れません。

関連項目

ZGameEditor Visualizerのエフェクト


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Last-modified: 2020-05-21 (木) 14:26:16 (1454d)