「ポストプロセス」です。 「左側にある他のレイヤーの出力を利用して加工する」タイプのエフェクトです。 Postprocess
Ascii「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、ASCIIアート(というかタイピングアート)のように加工して出力するエフェクトです。 「どう加工するか」については使ってみればすぐわかると思うのですが「何を加工するのか」はちょっとわかりにくいです。 AudioShake「左のレイヤーの出力映像」が、音に合わせて飛び出してくるようなエフェクトです。 AUDIO SRC:ピークに反応して出力画像をズームアップ、音量が下がるとゆっくりズームアウトします。 音への反応もダイレクトで「画面全体を動かすのでインパクトが大きい」ことや、カスタマイズできる項目が少ない分「扱いやすい」のが最大の特徴かなと思います。 FL20あたりで「単純な分、扱いやすい」AudioShakeにもパラメータがいくつか追加されて少し複雑になっているようです。 Blooming「左のレイヤーの出力映像」を受け取って「光が輪郭からはみ出す」ような効果をかけます。 「ブルーム」という呼び名は、CG方面ではそれなりに知られた用語のようです。 Blur「左のレイヤー」の出力画像を受け取って「ぼかし」をかけます。 たぶん処理の畳み込み行列とかの仕様に由来すると思うんですが、もうちょっと強くかかってほしい気もします。 古い話ですがFL12.3ではバグがあって機能しなかったようで、パッチが出てたようです。 BufferBlender注:「Blendカテゴリ」を参照。過去のFL Studioのバージョンで、BufferBlenderエフェクトがPostprocessカテゴリに「も」あった時期がありますが、FL Studio20.1では「Blendカテゴリ」に移動、このカテゴリからは削除されているようです。未確認ですが「このカテゴリに存在したことがバグ」だったのではないかと思われます。 ColorCyclePalette「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、全体の色をさまざまに加工して出力します。 AUDIO SRC:反応しません。 大きく「Operation」ドロップリストで動作モードが変わるようで、 というのが正しい使い方のような気もします。 Dot Matrix「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「荒いグレースケール印刷」のように加工するエフェクトです。 AUDIO SRC:反応しません。 「モノトーン」になりますが、全体の色はこのエフェクトで指定できます。 「左のレイヤから映像が来てないと意味がない」ことだけ忘れなければ「見ればわかる」系で「扱いやすい」系です。 このエフェクト自体は動きはぜんぜんないので、たぶん動きのある映像のアクセントに使うか、「動画を入力とする」、「Resolutionスライダあたりをオートメーションする」といった使い方が効果的なんじゃないかと思います。 Edge Detect「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「輪郭を強調表示」します。 デフォルトでは「輪郭検出(edge detect)」して「輪郭のみ表示」という(「PhotoShop覚えました!」的な)映像になるのですが「Image Mixスライダ」で元画像を重ねると「輪郭強調」といった使い方もできます。 FrameBlur「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、残像を表示しつつ出力します。 調整は結構繊細なようです。 Extruded Video Image「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「凹凸のあるタイル張り」状の映像にします。 という性質だけ押さえておけばあとは雰囲気で使えると思います。 Subdivde(Subdvide)は恐らく「色の変化が大きい部分だけ小さなタイルにする」ようなことをやってるんじゃないかと思います。 Luminosity「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、モノクロにします。 Notebook Drawings「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「ノートの落書き風」に加工します。 このエフェクトが何者か言葉で説明しにくいのですが、とりあえずお試しで
とか並べて観察するとすぐどういうものかわかると思います。 コントロールが難しい一方、「入力する映像さえ確保できれば、どう使ってもかっこいい」エフェクトかなと思います。 ParameterShake「AUDIO SRC」を元に、「指定したレイヤーの指定したパラメータを操作」します。
というあたりまで理解したら、「扱いやすい+応用しやすい」エフェクトに化けるんじゃないかなと思います。 ParameterShakeエフェクトは「MiscカテゴリのAutomatorエフェクト」と似た性質のエフェクトであり、「どう見てもPostprocessカテゴリじゃないだろ!」とかは思いますが、たぶん「AudioShakeエフェクト」の発展系として開発した結果ここに置いてあるんじゃないかと思います。 「Sizeに相当するパラメータを持っているエフェクト」に対しては、ストレートにそういう使い方もできます。 もちろん、Shakeするのは「カメラのズーム」以外のものでも良いので、色でも回転でもそれらの組み合わせでも何でも揺らしてみるとよいかと思います。 Point Cloud Default, Point Cloud High, Point Cloud Lowいわゆる「ポイントクラウド」です。 このエフェクトでは光点の座標を外から与えるんじゃなく、「左のレイヤーの出力画像」を受け取って、「明るい色のピクセルを手前に、暗い色のピクセルを奥に移動」させて立体っぽく加工して自動生成するというのが基本的な仕組みのようです。元の画像にもよりますが「自然画だと何も考えなくてもわりとそれっぽく立体化される」、「こともある」ようです。 FruityDanceLineとか読んで「Rot X, Yスライダ(Rotation)」と「Ampスライダ(Amplitude)」とか動かしてみると意味がわかったり「おお?!」と思ったりするかも知れません。基本的に「動画」を食わせると何かとおもしろいと思います。 開発中版使用例らしきものはYoutubeの「FL Studio ZgameEditor Visualizer Point Cloud Demo (Ruelle - Big Guns)」で見ることができます。 Point Cloudは「点の雲」といった意味の英語で、「ポリゴン張ったりワイヤーフレームしたりするんでなく頂点座標をそのまま見る」ような意味のCG用語と考えてよいと思います。 Projection「左のレイヤー」または「IMAGE SRC」から出力映像を受け取って、台形等の任意の四角形に変形します。映像ソースはSourceセレクタで選択できます。 使い道は「Preset->Vector art」にある「iPad」プリセットを見るとどういうものかわかると思います。 RaindropsRGB Shift「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、色ズレさせます。 適用量を揺らして、動きの少ない映像にいわゆる「グリッチ」っぽい効果を与えるような使い方もできるんですが、仕組み的に、挙動が「レンズ収差(天体望遠鏡とかメガネとかを通して見ると色が分解されるような効果)」と似ているので、渋めに「妙にリアル」な印象を生む用途でも使えるかと思います。 ScanLines「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「ブラウン管の走査線(のギャップ)」的なものを加えます。 「走査線?そもそもブラウン管って何?」という人もそろそろいる時代のような気もしますが、ぐぐるなりして調べてください。「シュタゲのMr.ブラウン」のブラウンです。 ScanLinesでは、「ブラウン管っぽさ」を表現するために「黒い横線をたくさん書く」、「Vinette効果」ということをやっているようです。縦線を書くと縦スクロールシューティングっぽい感じになるのかも知れませんがその辺の事情は私もよく知りません。 一方で、データソースやフレームバッファの解像度と関係なく、最終的な描画結果に対して処理してるように見えるので「横線の数」はモニタ画面の解像度に依存するんじゃないかと思います。性質上ある意味当然の仕様(モアレとか出したいわけじゃない)と思いますが、利用する際はその辺を意識していないと「レンダリングしたら違う結果に」、「共有サイトへアップしたら印象が変わった」とかいうこともおきるんじゃないかなと思います。 TransitionEffectsいわゆる「トランジション」です。 画面切り替えのアニメーションは「Transition Type」ドロップリストでいろいろ選べます。 それぞれの操作は、スイッチは多くないので使ってみればわかると思います。 Vignette「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、画面周辺を暗くします。 外径と内径をスライダで調整できるのですが、内径が外径を超えちゃうとシュールなことになってる気もします。それはそれでトランジション素材として使えるのかも知れませんが。 「Vignette」とは写真とかの用語で、カメラやレンズの特性として「画面の中心から遠い部分、特に四隅で光量が減衰すること(原理的には「本来レンズで歪んで縮んだものを引き伸ばしてそれっぽく見せたために光が足りなくなる」とかいう話のようです)」を言うようです。「口径食」とか訳されるらしいですがヴィネットでも通じる人には通じるようです。 Watercolor「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「絵画調」にします。 WetInkSpiral「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「渦巻く液体のような物の太さ」で表現します。 見たまんまとしか言いようがない独特なエフェクトです。 個人的には「ある程度具体性のある映像ソース」を「見えない」から「見える」へ、「見える」から「見えない」へとトランジションするような使い方がよさそうに思います。 Youlean Audio Shake「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、AUDIO SRCで指定した音声ソースに合わせて画面を揺らします。 TypeドロップリストでZoom, Rotate, Move, Opacityが選べます。音を鳴らしながら使ってみればわかると思いますが、Opacityは音が大きい時に透明になって背景が見えるような仕組みです。 OriginというのはZoom(拡大)やRotate(回転)の中心となる点で、Preview Originトグルを使うと確認のために表示することもできます。 音への反応の仕方は"Audio Gate", "Freq. Start", "Freq. End", "BassBoost", "Attack", "Release"あたりのスライダで調整できるようです(が、個人的には結構難しいと思います。音源の選び方にもよると思いますが)。 すごい個人的には、Opacityの思わせぶりなチラ見せがお気に入りです。 Youlean Bloom「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「ブルーム」をかけます。 こまかい仕様を理解するのはCG技術方面を調べないと厳しい気もしますが、雰囲気で使えると思います。 Youlean Bloom_Version2一定時期のバージョンのFL Studioで存在した気がするのですが、20.8.1現在存在が確認できません。 Youlean Blur「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「ぼかし」をかけます。 これも理論的なことはさっぱりわからないんですが、幸いスライダは2つ(+トグル1つ)しかないので、いろいろ試してください。 個人的な感想なのですが「むちゃくちゃ有能」です。 「Round/Boxyスライダ」は、ぼかしが「左は丸、右は四角」っぽくなります。このスライダを左右に振り切って、左右それぞれで、10xAmountをオンにしてAmountを上下して、比較してみると意味がわかると思います。 Youlean Color Correction「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「色補正」をかけます。 これもまた理論的なことはさっぱりわからないんですが、幸いスライダは……結構あるけどいろいろ試してください。反応性はいいです。 個人的な感想なのですが「むちゃくちゃ有能」です。 Youlean Drop Shadow「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「影のような像」を加えます。 基本的には「ロゴの右下に影を付ける」とか「Fruity DanceのFL-chanの下に見える、床からの反射」みたい感じのなものを意図したエフェクトです。 Angleスライダは、この「右下」とか「下」とかに相当します。Distanceを0にすると影と本体がぴったり重なるので見えません。 「左にあるレイヤの映像に影を加える」わけなのですが、期待するのは「背景があって、本体があって、本体の影が、背景の手前本体の後ろにある」という映像なわけで、そのためにどうなるべきかというのを考える必要があるようです。 端的には といった手順を踏むことが、実用上は必須になるかなと思います。 使いどころもなかなか難しそうですが、うまくいくと結構かっこいいと思います。 Youlean Handheld「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「手ブレ」のような効果をかけます。 このエフェクトは「スマホやハンディカムのようなものを手に持って何かを撮影しているような効果」を扱っているようです。 Youlean Image RotationYoulean KaleidoscopeYoulean Motion Blur「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「モーションブラー(?)」をかけます。 「むちゃくちゃかっこいい」のは確かなんですが、これが果たして「モーションブラーなのか」というとちょっと疑問があったりします。 モーションブラー?
とかやってみると、このエフェクトが何者なのか、想像がつくんじゃないかと思います。まったく動いていないはずの部分に「残像」が現れます。 このエフェクトをモーションブラーとして機能させるには「モーションの方向と想定移動量を自主的にスライダで指定する必要がある」ということなんじゃないかと思います。手動調整でも複数レイヤのパラメータを連動させるのでもよいです。 たぶん本領を発揮するのは多分「アニメ背景の高速パン時の演出」みたいな「目がついていかない想定だけど何か流れて見えればいい」といった場面で、うまく使えば確かに「モーションブラー風」に使えると思いますが、油断すると「縦に残像を残しつつ横に高速移動するFL-chan」とかシュールなものも作れてしまうはずです。それすらも「かっこいい」のは否定しませんが。 「本来の意味の(フィルム露光時間内に動いた"点が線として"記録されるような)」モーションブラーというのはCGでリアルタイム処理するのは条件が厳しいと思うのですが、それに近いエフェクトとして「FrameBlurエフェクト」があります。FrameBlurを使えば「バルタン星人の分身とかスーパーコンボのような(フィルム露光時間内に動いた"点が点線として"記録されるような)」モーションブラー、という期待には沿えるかと思います。各スライダや、元の映像の変化を遅くする等調整次第では、より「本物」に近づくかと思います。 Youlean Pixelate「左のレイヤーの出力映像」を受け取って、「モザイク」をかけます。 基本的にはResolutionスライダのみでモザイクとして利用できます。 Use Maskトグルをオンにすると、IMAGE SRCで指定した映像を使って「模様ガラス」のような効果になるようです。どういう挙動なのか謎ですが、''FourCornerGradient"エフェクトのような極端な?グラデーションを使うと何をしているのか垣間見える気もします。 DrawsamplingドロップリストはBothにしておくのが基本と思います。ほかの設定はどういう時使いたくなるか謎です。 関連項目 |