「テキスト」型のエフェクトです。

テキストは「Add Content > Text」、「Add Content > HTML」であらかじめ指定しておきます。

テキストの一行一行は、各レイヤーで個々に扱うことができます。詳細は「Add Content > Text」、「Add Content > HTML」の説明を参照してください。
オートメーションで制御するあたりの考え方はFL Studio標準のエフェクト系プラグイン「Fruity Notebook」あたりと似ているのかも知れません。使ったことないですが。

(2019/02/03:FL Studio20.1?でHUDカテゴリに新たにテキストを扱えるエフェクト「HUDカテゴリ#HUDText」が追加されたようです。多くのアウトラインフォントらしきものが追加されて使いでのあるエフェクトのようですが、日本語は使えないようです。内部処理的に、日本語フォントを追加してもダメっぽいです)
(2020/08/16:HUDカテゴリのエフェクトは軒並み「SVG形式」のデータを扱うしくみであるため、日本語フォントをSVGとして出力することさえできれば、わりと何でもできます。特にHUDカテゴリ#HUDPrefabは、いわゆる「ボカロPV/MVによくある歌詞がが躍る系動画」の用途に応用しやすいんじゃないかと思います。作業効率の研究は必要ですが、Inkscapeで1フレーズごとのSVGを用意する感じで、かなりのことができるはずです。参考: https://forum.image-line.com/viewtopic.php?f=1700&t=236684#p1526344

Text

エフェクト名概要
MeshText「Add Content > Text」で記述したテキストを1行ずつ画面上にポリゴンメッシュで表示するエフェクトです。
TextDraw「Add Content > Text」で記述した文字列を一行ずつ表示します。
TextTrueType「Add content > HTML」に記述した「HTMLっぽい独自言語」を「HTMLっぽい解釈をして」表示します。

MeshText

「Add Content > Text」で記述したテキストを1行ずつ画面上にポリゴンメッシュで表示するエフェクトです。

AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:Meshが画面上に表示テキストと重ねて表示されます。ただ、「(none)を選択してもアンロードされない」など挙動が怪しいです。

視覚的にわかり易いので、一度テキストが表示できるところまでわかれば、スライダを動かしていれば直感で使えると思います。ちょっとわかりにくい「Diameter」スライダは「Staraight/Circle」スライダと組見合わせて使うものです。
クセがないので「Postprocess > Blooming」とか「Postprocess > Dot Matrix」とかの入力素材として使うともっともらしいかも知れません。

日本語は使えません
MeshTextはその名のとおり「文字をポリゴンメッシュとして表示する」エフェクトなのですが、「OSのフォントとか一切関係なく」、「プロジェクトファイルにハードコードされた3Dメッシュを使ってる」ようです。MeshText.zdeprojをのぞいてみると、どう見ても英語圏の1バイト文字のポリゴンデータしかないので、日本語は出ません(余談ですが、同じ理由で、英語のタイプフェイスを変えることもできません)。
「文字の.3dsデータが作れればある意味何でも出せる。日本語でも出せる」と言えばそうなんですが、少なくとも「手軽ではない」し、ソースを見る限り「ASCII文字以外扱えるようになってないとかエンコードの問題もある」のでそこも手を出さないと「既にテキストを使ってるとは言えない」、「日本語が出せるとは言わない」という感じです。

TextDraw

「Add Content > Text」で記述した文字列を一行ずつ表示します。

AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:指定した画像で「フォントが」置き換わります。
MESH:反応しません。

スライダはすべて視覚的にわかりやすく触れば反応するので、「なんとなくかっこよく使える」んじゃないかと思います。

日本語は使えません
「Font」スライダでフォントが選択できるのですが、このフォントは通常の「Windowsのフォントファイル」等ではなく、TextDraw.zdeprojファイルに埋め込まれた(「ハードコードされた」と言っても良い)ビットマップデータです。このため「フォントを指定する手段はない」、「日本語ももちろん使用不可」というのが原則です。

フォントの置き換え
一方で、zdeprojファイルをZGameEditor開発環境で開けば、フォントのデータをビットマップファイルとして取り出したり自前のビットマップデータで置き換えたりといった「改造」は充分可能(のはず)です。
また、改造するまでもなくIMAGE SRCで画像を指定すると、その画像が「TextDraw.zdeprojに埋め込まれた画像データ」と置き換わるようです。「汎用仕様の副作用(想定しない動作)」のようにも見えますが、工夫次第では「独自のフォントフェースに置き換える」ことも可能かと思います。埋め込まれた7つのフォント全てが1画像で置き換えられているように見えます。利用にはまだ研究が必要です。

「巨大ビットマップの一部分を機械的に切り出す」というのがこのエフェクトの本質であるので、「他のエフェクト(既存エフェクトで有望なのはTextTrueType)でフォントデータ生成管理してTextDrawでバンク切り替え」とか「FL Chanが繰り返しなしで1時間踊り続けるアニメーション製作」とかちょっと突っ込んだ使い方も可能かも知れません。

OSのフォントからTextDrawで利用可能なビットマップデータを抽出する、というのは理論上自動化可能と思いますが、簡単なツールが存在するかは不明です。どの道扱えるのは1フォントあたり64文字程度のようなので、時間が有り余っているならWindowsのペイント(ペイントブラシ)とか使って手で対応するのも現実的と思います。
日本語ではないですが、そういう方向で「自分で書けばUnicode使った巨大コードセットの文字表示も不可能ではない」という実証コードは既にあるようです(参考:「 http://www.emix8.org/forum/viewtopic.php?f=5&t=1161 )。

TextTrueType

「Add content > HTML」に記述した「HTMLっぽい独自言語」を「HTMLっぽい解釈をして表示」します。

AUDIO SRC:反応しません。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:反応しません。

この「独自言語」については「Add content > HTML」の画面上に説明があるのですが「ここにあるのが全仕様であって、これはHTMLではない」と思ってた方がよいかも知れません。

仕様がまだよくわかっていないのですが「SingleLineMod」トグルスイッチをオン、「Text Line」スライダはで行選択、「Add content > HTML」で「[textline]」と書いておくとそれが「Add content > Text」に書いたもので置き換わる。という仕組みがあって、歌詞表示での使用が推奨されています。この辺の使い方は公式のチュートリアルビデオ(FL Studio Guru|ZGameEditor Visualizer Text & Lyrics)で懇切丁寧に説明されているので英語を聞かなくても画面の流れを見てればなんとなく使えるんじゃないかと思います。

予約語とProject settingとWizard
[textline]以外に、[title], [author], [comment], [url]が、特別な処理対象となる予約語になっていて、それぞれFL Studioの「Project setting」の各項目から情報を取得して表示することができます。

FL Studio20.1.1現在、ZGEvisには「Wizard」という機能がbetaとして提供されていて、TextTrueTypeエフェクトを利用するプリセットがあるのですが、この使い方では挙動が怪しい気がします。Wizardを起動してtitle, authorなどを設定した場合、以前は

  • Project settingから読み込み、Wizardで変更時にProject settingに書き込み

という挙動だったと思うのですが、FL20.1.1ではこれらが「べつのどこか」に保存されているようです。

  • Project settingから読み込み、Wizardで変更時には「べつのどこか」に書き込み

ということで、Project settingの内容は変更されません。また、「書き込み、予約語での呼び出しはできるものの変更ができない」ようです。ほかに[extra1]-[extra10]とか予約語があるのですが、これも「べつのどこか」に書き込まれているようで、どうやって変更できるのか謎です。原稿仕様では「Wizard起動時点で設定はすべて消去される」ので、そこそこ深刻なような気がします。
これらの予約語は、[textline]とは違って(20.1.1時点では)スライダとの関連付けなどはなく「単なる固定文字列」扱いなので、「必要に応じて直接Add content->HTMLのとこで、Wizardが設定した予約語を削除して、予約語じゃないテキストを明示的に書く」というのが、現実的な運用かも知れません。

日本語が(ある程度)使えます

注:詳細未調査ですがFL Studio20.6で日本語の扱いが改善しているようです。以下の情報は以前のバージョンのものです。

TextTrueTypeエフェクトでは日本語フォントの指定も「fontタグにフォントファイル名を拡張子付きで指定する(MS明朝なら"<p><font face="msmincho.ttc">MOJIRETSU</font></p>"とか)」ことで「とりあえず」可能です。ヘルプの記述を見る限り「フォントファイル名」でなく「フォント名」での指定もたぶん可能なのですが、確実な指定方法は未確認です。
(「フォントファイル名」の確認手段は基本的にはコントロールパネルのフォント関係のとこでプロパティとか見るとできるはずですが、最近のOSではいろいろなのでよく知りません。1フォントファイルが複数のフォントを持ってたりするケースもあるし、1フォント名が複数のフォントファイルで実装されていたりすることもあるような気がします)。ちなみに「Wizardで作成したプリセットが使っているTextTrueTypeエフェクト」で指定されているフォントは全て日本語非対応のようです。

FL Studioのバージョンによって「Add Content > Text」の入力フィールドのIME対応具合がまちまちで日本語の入力が困難だったり化けたりします(これはFL Studioの他のUIでもしばしば起こります)が、「メモ帳」など別アプリでコピーしたテキストをペーストする分には問題なく使えているようです。「ビデオチュートリアルの通り日本語歌詞を扱いたい」という程度の需要には必要充分に応えられる対応状況と思います。

これもバージョンによって挙動が一定でない可能性がありますが「Single Lineでない使い方が事実上できない=HTMLテキストに直接日本語を書いた場合([textline]経由しなかった場合)」に文字化けするようです。経験的には半角のソ("ソ")と思われる文字に化けます。

余談ですが、フォーラムで指摘のあった「インドの文字(マラヤーラム文字)」の話( https://forum.image-line.com/viewtopic.php?f=1700&t=160854 )は「文字の部品を実行時に組み立てて出力するみたいなパターンでグリフの表示位置がが正しく処理されない」ので、「それが必須な言語のフォントは対応に時間かかるので後回し」とかいう話になっているようです。

関連項目

ZGameEditor Visualizerのエフェクト


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Last-modified: 2020-08-16 (日) 18:20:23 (1367d)