パーティクルを扱うエフェクトです。

「パーティクル」は3DCG用語で「単純なものを、たくさん描く」専用の仕組みを使うことで小さな破片、粉、煙のようなものを表現する仕組みです。
通常はごく小さいものを表示するのに使うような気がしますが、大きい絵をたくさん表示するのにも使えます。

Particles

エフェクト名概要
BugTails「蛍(ホタル)」のようなエフェクトです。
ColorBlobs光の粒が飛び回っていて、音に反応して動きます。
fLuids「シャワーヘッドから吹き出る水」のようなものを表現するエフェクトです。
PlasmaFlys中央の光点が、音に反応して徐々に広がり星空のようになります。
Polar Grid Motion
ReactiveFlowDNAの鎖のようなものが音に反応して膨れるという感じのエフェクトです。
ReactiveMob動き回る大量の多面体オブジェクトが音に反応して暴れまわるエフェクトです。
StrangeAcid数学で「ストレンジアトラクタ」とか呼ばれる曲線だか集合を表示するエフェクトのようです。

BugTails

「蛍(ホタル)」のようなエフェクトです。

AUDIO SRC:音に反応した時だけ光点が動き回ります。
IMAGE SRC:「指定した画像」で「中央の黒いコア」が、「リストの次の映像」で「飛び回るホタル」が置き換わります。
MESH:反応しません。

実質上「音に反応した時だけ見える」ので、試すときは「ある程度の頻度で鳴り続ける音」を出しておくとよいでしょう。

仕組み的には「コア」として「中央で回転する画像(デフォルトでは黒くて丸いもやもや)」がひとつ、中央の画像を中心として「ホタル(複数の光点)」が軌跡を描きつつ動き回る、という構造になっています。
とりあえず「Sizeを最大にして、背景(左のレイヤー)にFourCornerGradientを置いてみる」などすると、どういう挙動をしているか観察できるんじゃないかと思います。
興味深い挙動をするのは確かなんですが、どう利用すべきか、端的に「どうすればかっこいいか」というのはまだよくわかりません。

Bugは虫、Tailsは尻尾です。主役は軌跡を描いて飛び回っているホタルっぽい何かなのかと思います。

ColorBlobs

光の粒が飛び回っていて、音に反応して動きます。

AUDIO SRC
IMAGE SRC
MESH

「Sound Influenc」スライダで音への感度が調整できたりしますが、ごく基本的なパラメータしかなく色は実質固定でHue(色合い)スライダは効いていないようです。

カスタマイズする要素が少ない、というのはメリットでもあり、動作が素直で放っておいてもきらきらしてきれいなので、扱いやすいエフェクトと思います。

ソース中、 // Color Blobs by @paulofalcao との記述があります。 https://www.shadertoy.com/user/PauloFalcao の人と思われます。

fLuids

「シャワーヘッドから吹き出る水」のようなものを表現するエフェクトです。

AUDIO SRC:音に反応して光点が揺れます。
IMAGE SRC:「指定した画像」で「光点」が置き換わり、「リスト上のもうひとつの画像」で「中央ノズル」が置き換わるようです。
MESH:指定すると何も表示されなくなる?ようです。よくわかりません。

正直まだ把握できてないんですが、私の理解では:
構造的には「中央にノズル(Nozzle)と呼ばれるもの(デフォルトでは非表示)があって、その周囲を輪を描いて取り囲むように光点が次々に生まれて消える」、といったもののようです。
Gravity Zを上げると「手前」に「水滴」が落ちてくる」というイメージを頭に思い描いて、そこからスタートすると、各種スライダを動かした時に何が起こっているのかイメージできるんじゃないかなと思います。

奥深く、美しいエフェクトで、挙動も予想可能と思うのですが、「使いこなす」のは結構難解かも知れません。
応用例は「ZGameEditor Visualizerのプリセット」にたくさんあります。「Ambient(fLuids)」カテゴリのプリセットでは、「ほぼfLuidsだけ」を使ってさまざまなバリエーションが紹介されています。

「IMAGE SRC」に画像を指定すると光点が画像に置き換わるようです。HexagonCrystal.pngあたりで、「Gravity」スライダ、「Burst Z」スライダとか組み合わせて「雪を降らせる」みたいな使い方は想定されているかもしれません。

fluidは「流体」とか訳される英語です。

PlasmaFlys

中央の光点が、音に反応して徐々に広がり星空のようになります。

AUDIO SRC:音に反応してはいるようです。
IMAGE SRC:指定した映像で、光点ひとつひとつが置き換わります。
MESH:反応しません。

さしあたって

  • 「Size」、「Frenzy Pulse」、「Pulse Sence」スライダを最大
  • 「Dampaning」スライダを最小
  • それなりの音量の低音をAUDIO SRCに入れ続ける(デフォルトでロードされるKickを32回とか)

といった手順を踏むと、中央の光点がだんだん広がって星空のようになるようです。
そして一度広がると音を止めても元には戻らず、さらに音を入力していくと発散して暗闇のようになります。
Centralityスライダを少しでも上げると、星空のように散らばった光が中央にじわじわと戻っていきます。

これが設計上期待された動作なのかは謎です。
一応挙動はわかるような気がするし「適度に広がった星空」は自動で明滅したり結構きれいなのですが、このエフェクトはどういう場面でどう使うべきなのか、さっぱりイメージできませんでした。

実行環境、特に解像度とか入力に使う音との相性とかは、あるのかも知れません。

Polar Grid Motion

ReactiveFlow

DNAの鎖のようなものが音に反応して膨れるという感じのエフェクトです。

AUDIO SRC:音に反応して「紐が太く」なります。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:指定したメッシュで「立方体の部分」が置き換わるようです。

多様なスライダがありますが、いずれも視覚的なもので反応が見てわかりやすい一方「これはこうだ」といいにくい感じです。
応用例は「ZGameEditorのプリセット」群の中に見つかると思います。「DNAの鎖のようなものが音に反応して膨れる」という範囲内でいろいろなバリエーションが見られます。

ReactiveMob

動き回る大量の多面体オブジェクトが音に反応して暴れまわるエフェクトです。

AUDIO SRC:音に反応して、浮遊している「八面体?」が針状に伸びてぶつかり合うことで暴れまわるようです。
IMAGE SRC:反応しません。
MESH:指定したメッシュで「ボールのような多面体」のオブジェクトが置き換わります。

手間をかけてわざわざフラットシェーディングにしているあたり、全体としては「Star BladeとかGalaxian3のような、ポリゴン黎明期(ピンポイントで1990年前後の数年)のナムコのシューティングみたいな」とか言えるかもしれません。
このエフェクトも多様なスライダがありますが、いずれも視覚的なもので反応が見てわかりやすい一方「これはこうだ」といいにくい感じです。

reactiveは「反応する、反発する」、mobは「群れ」のような意味です。化学反応とか、核分裂反応的なイメージなのかも知れません。
「亜空間航行っぽいイメージ」での使い方が「ZGameEditorのプリセット」群の中に見つかると思います。だいたい「Warpなんとか」とかSFっぽいタイトルがついてます。

StrangeAcid

数学で「ストレンジアトラクタ」とか呼ばれる曲線だか集合を表示するエフェクトのようです。

AUDIO SRC:「PeekReactivity」スライダを上げると、音に反応して「光点」が明滅します。
IMAGE SRC:指定した画像でひとつひとつの「光点」が置き換わります。
MESH:反応しません。

デフォルトではアニメーションしない設定になっていますが、さしあたって「Spin Speed」スライダと「DanceDepth」スライダをちょこっと動かしてみるのがおすすめです。動き出します。立体的です。

数学専攻の学生でもこの図形の挙動は制御できるものでも理解できるものでもないと思うので、「黒背景に白の光点で何となく流しておくともっともらしい」、「このスライダを動かすと動きが激しい」、「数学屋を知ったかぶりさせたりニヤっとさせることができる」(要は"messing around"するしかないしそれが正解)ぐらいに思っていたらいいんじゃないかと思います。
PeekReactivityスライダによる音への反応は光点ごとに感度が違っていて意味ありげなのですが、仕組みはよくわかりません。

Strangeは英語で「おかしな」みたいな意味です。
が、このエフェクトの命名に関していえば「Strange Attractor」から来ているのは間違いないです。数学の文脈ではこの「strange」には厳密な意味が与えられているはずです。そのへんが気になる人は「ストレンジアトラクタ」でぐぐったり理系大で数学教授でもつかまえて調べて、しかる後に途方にくれるなりしてください。私は説明できません。
Acidは英語で直接的には化学でいう「酸」だと思うんですが、歴史的に「薬物、特に幻覚系の一応合法な薬物の俗語」として使われた経緯があったという認識です。DTM方面ではその意味がやや薄れて「なんかかっこいい。実際スゴい」ぐらいのニュアンスで定着しているような気がしています。門外漢的には。
「Strange Acid」をPolitically Correctというか日本の義務教育的レギュレーションに合わせて表現するなら「おかしなくすり」という感じかなと思います。

関連項目

ZGameEditor Visualizerのエフェクト


トップ差分 バックアップ リロード  一覧 単語検索 最終更新 ヘルプ最終更新のRSS
Last-modified: 2020-05-21 (木) 11:19:58 (1453d)